時をかけるN
□ 最優先事項 7/10
「手早く終わらせてあげるよ。ゲンガー、シャドーボール!」
「ドガース! 避けて、えんまく!」
マツバの一言を皮切りに、戦いの火蓋は切られた。
ゲンガーはドガースの眼前まで踏み込み至近距離から攻撃を試みるが、動きを読まれあえなく避けられる。
ドガースは避けた先からありったけの煙幕を撒き散らす。
瞬く間にマツバとゲンガーの視界が煙に支配される。
「くっ……二度も同じ手は食らわないよ」
何も見えない。
でも――――視える。
「――そこだ!!」
後ろを振り向き、見えないままでゲンガーに向かって叫ぶ。
ゲンガーがシャドーボールを煙の中にいると思われるドガースへ向ける。
「ドガース!」
シャドーボールを打つ瞬間、ドガースが勢い良く毒ガスを吐き、周りに毒素が充満する。
「無駄だよ」
放たれた闇の球は高速で濁った空気を切って進み、ドガースに直撃した。
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