時をかけるN
□ タイムスリップ 3/11
「私は部下達の力を活かしきれなかった……! 私はいつの日か必ずロケット団を復活させる!」
部下、ロケット団、そんな単語を耳に入れながらも、ゲーチスもこんなことを思ったりするのかなあ、とNはぼんやりと考えていた。
「分かんねえ! オヤジの言ってること全然分かんねえよっ!」
「………………お前にも分かるときが来る」
そう言い残すと男は、涙で顔がクチャクチャになっている息子を見向きもせず、歩きだした。
Nは男と鉢合わせしないように、素早く木の影へ隠れた。
チラリと見えた男の表情は、とても苦しげにみえた。
その表情の真意を、Nは察することができなかったが。
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