時をかけるN | ナノ

時をかけるN


□ 宣戦布告 10/11

「覚えてもらえているとは光栄だ」

 ラムダが茶化すが、それにつられて笑うような者はこの場に居なかった。


「ここは選ばれた者以外は入れない神聖な場所だ。出ていってくれるかな」

 マツバが憤りを押し殺したような声でラムダに言った。


 Nはただ、展開を見守るしかできない。



「いいぜ」


 あっさりとした返事がきた。


「作戦は失敗しちまったから、もうこんなところに用は無いぜ」


「作戦……?」

 マツバが眉をひそめる。


「ホウオウ捕獲大作戦! ――と言ったら?」


 ラムダが高らかに発した言葉に、マツバは一瞬言葉が出なかった。


 その間に溢れ出てきたのは、紛れもない怒りだった。

- 64 -
[prev|next]

>>しおりをはさむ

[ Back ]







「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -