時をかけるN | ナノ

時をかけるN


□ 宣戦布告 9/11

「マツバさん……?」


 コトネが不思議そうにマツバを見上げたとき、Nもそれに気付いた。


「ロケット団!」

 同時にヒビキが声を上げた。
 その僧侶はヒビキの反応に、にやりと口角を上げた。
 およそ僧侶とは思えない下品な笑みに、コトネも異変を察した。




「バレちったか」



 僧侶はその化けの皮を剥がした。


「さすが千里眼をもつと言われるエンジュのジムリーダーだなぁ。今回の変装はなかなか自信があったのによ」


 袈裟の内側にあったのは、黒い服と赤い“R”の文字。
 坊主のズラを取れば、毒々しくもみえる紫の髪。



「ロケット団幹部、ラムダ……!」


 緊張したヒビキの声が、一同の空間を周りの穏やかな雰囲気から完全に遮断した。

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