時をかけるN
□ 宣戦布告 5/11
「そういえばさっき、ロケット団を見たぞ」
ポケギアをいじっていた二人の手がピタリと止まった。
「え――?」
「ミ、ミナキくん……どこで見たの!」
マツバも動揺した様子で聞いた。
「ここに来る途中、エンジュの入り口で数人が屯っていたぜ。解散したという噂はやはりガセだったのだな」
エンジュにロケット団……何故?
数々の疑問が頭を駆け巡ったが、そんなことを考えている場合ではないとマツバはかぶりを振った。
「マツバさん!」
ヒビキが一番に立ち上がった。
「ロケット団の尻尾捕まえに行きましょう!」
コトネも今にも走り出さんとして立ち上がる。
Nとマツバは目が合った。
「「行こう」」
そう言ったのは、同時だった。
そして次の瞬間には、皆が走り出していた。
「――どこへ行ったんだ?」
きょとんとしたミナキを残して。
「……そうだ、スイクンの本を見なくては」
ミナキはマイペースだった。
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