時をかけるN
□ 宣戦布告 3/11
「え、Nです」
「ほお、Nというのか! 私はミナキだ。スイクンというポケモンを追っているんだ。よろしくな!」
当然のように手を差し出してきたミナキとその手を交互に見て、Nもそっと手を出して握手をした。
「スイクンとはどういうポケモンなんですか?」
「スイクンはな、ジョウト地方に伝わる伝説のポケモンの一匹なんだが、気高くも美しく優しき御心を秘め、大地を駆ける姿はまさしく北風のようで、スイクンが通った後の湖沼は清められるとも言われていて、その神々しさと言ったらまさしく――」
「ミナキくんストップ」
ミナキのボルテージがひとりでに上がっていくのを遮ったのは、マツバだった。
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