時をかけるN
□ 宣戦布告 2/11
「おお、マツバ! こんなところに居たのか!」
それは一同にとって意外な来客だった。
否、マツバにとっては日常茶飯事かもしれなかったが。
「ミナキくん!」
奇抜な服装と独特のオーラに身を包んで現れたミナキに、Nは口をぽかんと開けていた。
「この間、スイクンに関する歴史書が書庫に入ったと言っていただろう? 近くまで来たものだから、是非とも読みたいと思ってな! まぁ近くまで来た理由というのも、スイクンの過去二週間の出現確立を見るとこの辺りが一番多かったのだ! 私が思うにスイクンはタンバまで行ってからはどんどん西の方へ向かっている気がするんだ。もしかしたらカントー地方へ行くのかもしれない! もちろん私はスイクンがシンオウ地方まで飛んでいこうがどこまでもどこまでも追いかけてゆくつもりだが…………おや? マツバ、隣に居るのは誰だ?」
突然やってきて息もつかないマシンガントークを始めたミナキにNは呆然としていたが、ミナキの眼が初めて自分に向けられて意識を取り戻した。
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