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時をかけるN


□ 別れ際の微笑 6/7

「あの……オレ、その緑色の髪の男と戦いました」


 一同の視線が刺さるように注がれる中、団員は言葉を選びながら話した。

「見たことのない黒い犬のようなポケモンを一匹連れていました。でもかなり強くて、その……一発の攻撃で負けてしまいました。も、申し訳ありません!!」


 ボロ負けしたことを怒られると思い、ビクビクしながら団員が頭を下げた。

 ランスは怒るかわりに、判断を煽るようにアポロに目を移した。


「嘘を言っているようには見えませんね」

 ふむ、とアポロが団員を値踏みするように眺める。

「程々に実戦経験のあるお前が一発でやられるとは……ただの一般人ではありませんね。そもそもセレビィを持っている時点でただのトレーナーとは思えませんが」

 ランスが自分の考察を述べる。

「逆に、相当な実力者であれば、セレビィをもっていても不思議ではないかもしれませんね」



「――いいでしょう。なかなか有力な情報です。侵入者を見逃したことは多目に見ましょう」

 最高幹部の言葉に、団員の男は安堵を隠せないで、

「ありがとうございます!」

 深々と頭を下げた。

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