時をかけるN | ナノ

時をかけるN


□ 別れ際の微笑 3/7

「めんどくせーから率直に聞く。――アポロ、何を得た?」



 ラムダの目が、アポロの背中を射る。

 したっぱたちは、ごくりと息を呑んで展開を見守っている。


「もしくは、何を知った……か? 何か策があるからこうしてここにいるんだろ? 違うか?」


 疑問符をつけながらも、ラムダは自分の言葉にえもいわれぬ確信を見出だしているようだった。




「…………違いませんね」


 だから、アポロの答えにも眉一つ動かさなかった。


「ラムダ、何を得たかと聞きましたね。お答えしましょう」


 そして初めてアポロは振り向いた。

 その顔に、不敵な笑みを浮かべて。





「我々は“神の力”を手に入れたのです――――!」






 その手には、小さな檻に入れられて気を失っているセレビィの姿があった――。

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