時をかけるN
□ 彼女の面影 4/7
一縷の追憶の情を悠々閑々と反芻している場合ではない。
すぐにそう思いかぶりを振り、本題へ入ろうと口火を切った。
「キミはセレビィをもっていたの?」
ヒビキは頷いたが、その表情はわだかまりを感じるものだった。
「確かにセレビィはぼくが最近捕まえたポケモンで、ラジオ塔へ行く前にボックスに入れたんだ。それで昨日、マツバさんからの電話をもらって確認してみたら……ボックスからセレビィが居なくなってた」
――セレビィが居なくなってた?
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