時をかけるN | ナノ

時をかけるN


□ 彼女の面影 3/7

「何だか早口だねー。あっ、あたしはコトネ! それで、この子がマリルっていうの!」

 二つ結びの活発そうな女の子が続けて自己紹介した。マリルはコトネの腕の中でゾロアを物珍しそうに凝視していた。


「ぼくはヒビキだよ! こいつが相棒のバクフーン。よろしく!」

 背中に大きな炎を携えたポケモンが、少年の隣で自分の存在を示すように小さく鳴いた。



「キミたちのポケモン……」


「えっ?」

「いや、何でもないよ。よろしく」


 マリル、バクフーン。二人のポケモンから感じ取った感情は、あの日と同じだった。
 ――カラクサタウンで、彼女と彼女のトモダチと出会った日。

 彼女のポケモンが言っていたことと同じことを、目の前のポケモンたちは言っていた。

           ・・
 二人の笑顔から、ふと彼女の面影を感じたのだ。

- 43 -
[prev|next]

>>しおりをはさむ

[ Back ]







人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -