時をかけるN
□ エンジュシティ 6/10
「うーん、やっぱりこれくらいしか分からないね」
マツバが既に読んだ本をパラパラ捲りながら言った。
「いえ、大まかな把握はできました。ただ、セレビィを見つけるためにはもっと……詳しい情報が欲しい」
「そうだね、僕はエンジュのこと以外はあまり知らないから……。もっとあちこちを旅している人なら――ミナキくんはスイクン専門だしなぁ」
途方に暮れた様子で、苦笑いをするマツバ。
親身に考えてくれる姿を見て、Nは手掛かりを見つけようとこれまでのことを思い出してみる。
「あ」
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