時をかけるN | ナノ

時をかけるN


□ エンジュシティ 4/10

 マツバの家に通されたNは、マツバの背中を見ながら廊下を歩いていた。
 そして辿り着いたのは、学校の図書館のように本がたくさん並んでいる、古い倉庫のような部屋だった。


「ここは……?」


「この部屋には、エンジュの歴史に関する書物やジョウトの伝説に纏わる資料があるんだよ」

「それって……」

「そう。君の探してるセレビィの情報もあるかもしれない」

 まぁエンジュに関することではなさそうだから量は少ないだろうけど、と付け足してマツバは笑った。

 辺りを見渡すと、辞書のように分厚い本が所狭しと並んでいた。
 幼少の頃から読書は嗜んでいたので、Nは面倒臭い顔一つせずにそれらを手に取った。

 ――“新ホウオウ伝”

 ――“エンジュ史”

 ――“ポケモン大百科”

 ――“伝説記”

 一つ一つ手に取ってパラパラと目を流すと、セレビィに関する文章がところどころに見られた。

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