時をかけるN
□ 新たな出会い 6/9
「……ってことは、ロケット団がこんなかにおるんか!?」
女の子がハッとしたように声を上げた。Nはその声に驚いて、反射的に首を縦に振った。
「あっ! ポケギアにジムの子からめっちゃ着信入っとるやん!」
Nの返事を見る間もなく、自身のポケギアを見て驚いている。
いつの間にかゾロアから手を離していた女の子は、慌てた様子で電話をかけた。
「もしもしっ! えっ、解散した? 何がや? とりあえず今すぐジム戻るわ!」
成立しているのかしていないのか分からないような会話の末、ポケギアをポケットにしまった彼女は、思い出したようにマツバとNを見た。
「あっ、ごめんなー! 何かジムにロケット団の奴が来たゆーて大騒ぎやから、もう帰らんなんのや……」
「うん、気を付けてね」
彼女の焦りようから、何やら大変な事態と思われるが、男は朗らかな表情を保ったままで女の子を見送った。
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