時をかけるN
□ 新たな出会い 2/9
「ふぅ! やっぱりデパート行くと、ついついいっぱい買ってしまうんやな〜」
「そんなこと言って……僕を連れてきたってことは、確信犯だよね?」
朱色の髪を二つに括った活発そうな女の子と、目立つ金髪に紫のヘアバンドやマフラーが映える穏やかそうな青年。
そんな二人がデパートを出たところで、会話していた。青年のほうが大きな紙袋を幾つも持っていた。
なかなか対称的な人間に見えるというのが、Nの抱いた印象だった。
あまりじろじろ見るのもどうかと思って目を逸らそうとしたとき、女の子のほうとバッチリ目が合ってしまった。
「……!」
と、女の子がこちらへずんずん歩いてきた。青年も「え、ちょ、どこ行くの」と、紙袋をカサカサかさばらせながら後ろをついてくる。
Nは周りを確認してみるが、近くに人は居らず、どうみても女の子はNのほうへ向かってきていた。
そして、Nの目の前まできて言った。
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