時をかけるN | ナノ

時をかけるN


□ 隠したカード 5/7

――――――――――


 ラジオ塔の頂上。
 町中を見渡せるこの展望台で、一つの勝負が終わった。


「……戻れ、バクフーン!」


 年端もいかぬ少年が、モンスターボールを掲げ自分のポケモンを戻す。


「ヘルガー……戻りなさい」


 一方では、水色の短髪が特徴的な男が、ボールを自分の傷ついたポケモンに弱々しく向けた。


 展望台には、少年と男しか居ない。


「あなたの勝ちです」


 男は少年を見て、しっかりとそう言った。
 少年の瞳は、正義というキラキラ光るものを湛えて強く輝いていた。

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