時をかけるN
□ 時を越えてく思い 2/2
ダンボールはそれなりに高く積まれており、ヒビキやコトネより少し背の高いシルバーも少しかがめば全身が隠れた。セレビィも高く飛んでいないし、Nは膝をついているから反対側からNたちの姿は見えないだろう。
四人が息をひそめると、数人分の足音が聞こえてきた。
「どう? どのくらい戻ってきそう?」
「そうですね……サカキ様が解散宣言をなさってからすぐに抜けた者もいますからね。さすがにしたっぱ一人一人の行方まで追ってはいられない。不幸中の幸いで、今まで特によく働いてくれた者たちはほとんどジョウト地方への移動ができました、十分でしょう」
「そうねー。今は資金もあんまり残されてないし、まずはこのジョウトで一儲けしなきゃね」
「しっかし、またここのアジトを使うことになるとは思わなかったな。おー、荷物が散乱してるぜ」
記憶に新しいロケット団の幹部たちの話し声がする。
「そういえば私、聞いたことあるよ。ロケット団って三年前に一度解散してるんだよね」
コトネが小声で喋った。シルバーが小さく肯いたのを見て、Nも把握する。
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