時をかけるN
□ 変わらないもの 6/10
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「な……に……?」
絞り出すようなコトネの声で、Nはハッと意識を戻した。
コトネにヒビキ、それにシルバーがセレビィを囲む形で立ち尽くしていた。
セレビィの近くに居た人間が、同時にどこかへ飛ばされた――。
「タイムスリップしたんだ……」
「これが…………?」
この驚きはNにとっては三度目であったが、他の三人にはNの話には聞いていても信じがたいことだった。
こういうときは自分がしっかりしなくては。
「ええと……ここはどこだろう」
キョロキョロと辺りを見回すと、意外とその答えはすぐに出てきた。
「ここは――ボクらが今まで居た部屋の外じゃないか」
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