時をかけるN | ナノ

時をかけるN


□ タイムスリップ 9/11

 悲しいポケモンの叫びだった。

 どこへ行っても、人に苦しめられ傷つけられているポケモンは当たり前に居るのだと、はっきりと告げられたようだ。


 僕が救いたかったトモダチ。
 僕が救えなかったトモダチ。


 諦められるはずがない気持ち。

「意味分かんねーことばっか言いやがって! やっつけてやる!」

 聞く耳を持たない男に、Nは悲しさを一旦胸にしまう。


「ごめんね……今、ラクにしてあげるから」

 自分にしか聞こえないような声で呟き、一歩下がってゾロアを前に出した。


「ゆけっ! ゾロア!」


 そのNのかけ声と同時に、男が叫ぶ。

「先手必勝だぜ! コラッタ、電光石火だ!」

「ゾロア、かわして!!」

 コラッタの先制攻撃が、ゾロアに命中する。
 しかしダメージはあまり大きくなさそうで、ゾロアはすぐに戦闘態勢に戻った。

 なるほど、なかなか素早いポケモンだ。
 普通の攻撃では避けられるかもしれない。ならば――

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