時をかけるN
□ 変わらないもの 3/10
「…………あたし、展開についていけないんだけど」
「……まぁな」
数分も立たぬ間に、状況が目まぐるしく変化するのを目の当たりにした。
ロケット団の計略が崩れゆく瞬間。
そして――解散。
行方をくらましたアポロ。
「とりあえず、もうここに居ても意味ないだろ」
つまらなさそうにシルバーが頭を掻く。
さきほどまでの緊張感が無くなったこともあり、その顏には疲労がありありと表れている。
「そうね……。どうする、ヒビキくん……?」
コトネはヒビキのほうへ目をやるが、ヒビキと目線を交わらせることはできなかった。
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