時をかけるN
□ 変わらないもの 2/10
「ハヤトさん!?」
「よっ、久しぶりだな。今アカネに事情を聞いてオレの鳥ポケモンで飛んできたんだ!」
「うち空飛べるポケモンおらんからなー」
「だからこういうときのためにお前も鳥ポケモンを――って言ってる場合じゃねーよ! ロケット団はどこ行ったんだよ!」
話しながら自分の目的を思い出し、ハヤトはマツバに向かって訊ねた。
「えっとね……逃げられちゃったかな?」
「はぁ?」
「でもロケット団は解散したよ」
「解散……? あっ、ゆっくり喋ってる場合じゃない! 早くミンナに報告しないと!」
「せやせや!」
ハヤトとアカネが焦ったようにまくし立てる。
「皆?」
「ロケット団のことで会議するって連絡があって――ほらもう行くぞ!」
「え? ちょっと待ってよもう…仕方ないなぁ」
マツバが嫌々そう言うと、ハヤトは残るヒビキたちに「じゃあな!」とだけ挨拶をして、アカネとマツバを引っ張って出て行った。
「なんなんだ? まぁいい、ことが終わったなら私もこうしちゃいられない! マツバの家に戻ってスイクンの資料探索に戻るぜ」
続いてマイペースなミナキも風のように去っていってしまった。
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