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時をかけるN


□ 集結と終結 11/11

「私の信念とお坊ちゃまの信念も互いに解し得ないようですしね」

 アポロがシルバーを一瞥した。
 シルバーは即座に目を逸らした。
 そんな態度は気にしない様子で、アポロは言葉を紡いだ。

「お坊ちゃま、ロケット団がどうしてもお嫌いだというのなら構いません。しかし、サカキさまのことはどうかお嫌いにならないで下さい。あのかたなりにお考えになっているのです」

「……フン」

 知ったこっちゃないという態度を滲ませ、シルバーは乱暴に息を吐いた。

 アポロは次に、ヒビキとコトネにシルバーに向けたそれより少し冷たい視線を送った。




「彼に免じて負けを認めましょう。ロケット団は解散いたします」


 ヒビキとコトネは口を閉じたままそれを聞いた。
 どういう顏をすれば良いのか、二人には分からなかった。


「最後に……少しは悪の華を咲かすことができたでしょうかね。サカキさまに届くほどではありませんが、ね」

 少し満足そうに言い終えたアポロが、懐から何かを取り出した。



「まぁ、これから私がどうするかは私で決めさせてもらいますよ」



 それは、あまりにも突然の幕引き。




 アポロはあなぬけのひもで一瞬のうちにこの場から去ってしまったのだ。

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