時をかけるN
□ 集結と終結 8/11
「キミは悪くないよ。ここまで来てくれてありがとう」
シルバーの肩に手を置いて微笑んでみせたのは、Nだった。
「! お前……」
Nの姿に面食らうシルバー。
それは彼がここに居るということにもだが、同時にその身なりにも驚きの目を向けた。
Nはその目線を察し、「ボクは大丈夫だよ」と囁いた。
「この二人が助けてくれたんだ」
そう言って目で示したのは、同じく部屋に入ってきたマツバとミナキ。
マツバとミナキは互いに目線を合わせて悪戯っ子のように笑った。
「ちょっとバトルが長引いちゃって、来るの遅れちゃった」
「む、そんなこと言ってじわじわ追いつめていたのはマツバのほうじゃないか」
「そうだね、ちょっと遊びすぎたね。でも……アカネちゃんたちのほうがうまくやってくれたみたいだし」
「相変わらず抜かりないな」
ミナキが苦笑したところで、ヒビキが口を挟む。
「アカネさんたちって……? もしかして、ここに来てるんですか?」
マツバは黙って自身の唇に人差し指を当てて、ヒビキに穏やかな笑みを向けた。
そして表情を崩さぬまま、茫然自失としているアポロに視線を移した。
「どうしてセレビィが自分の言うことを聞かなくなったのか……まだ分からないみたいだね」
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