時をかけるN
□ 集結と終結 6/11
「ふふ、どうやら諦めがついたようですね。ではあなたがたはそこでただ見ていて下さい。私たちがサカキさまに会いに行くのを……」
勝ち誇った面差しで、セレビィに向かい手招きする。
「セレビィ、ダメッ!!」
コトネが叫ぶ。
しかしセレビィはロケット団の電波によって操作されている。
ボロボロのセレビィは、ゆっくりと檻から出た。
このときアポロは油断していた。
だから、ヒビキの口元が緩んだことにも気付かなかった。
その緩んだ表情が、部屋の外から聞こえる数人分の足音によるものだということも。
「ビィ!」
セレビィはアポロの手の平の上を――スッと通り過ぎた。
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