時をかけるN
□ 集結と終結 2/11
「――また邪魔をしようというのですか、あなたがたは」
檻に目を向けたまま、アポロは先程より鋭い語調で言葉を発した。
煩瑣だと言わんばかりに浅い溜息をついて侵入者を目視で確認したアポロは、その顔色を一変させた。
「お坊ちゃま…………どうして……」
今まで何年も会っていなかったがかつての面影を残した姿に、アポロは一瞬にして心を乱された。
「お坊ちゃまはやめろ。……お前が言った通り、邪魔しに来た。――いや、潰しに来たんだ」
対するシルバーは一切の動揺を見せず、アポロに向けてモンスターボールを掲げた。
「シルバーさまはやはり、私たちとは志を共になさらないのですね……」
そう呟いたアポロは、心の底から残念そうに眉根を寄せた。
その反応すら癇に触るというふうに、シルバーの目つきが鋭さを増した。
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