めろんそーだ | ナノ

めろんそーだ

時ノ糸(マツバ)

「ホウオウ……どうして……」

 夢が、未来が、目の前で途絶えた。
 その瞬間、僕の過去も未来も朽ち果てていった。

「じゃあまたね、マツバさん」

 目も眩むほど美しい羽根をはばたかせながら、去っていく夢。


「ははっ」

 何故か僕は乾いた笑いを残った空間に響かせたんだ。

 そして、空を見上げた。
 あまりにも広くて、青くて、でも僕はちっぽけで。
 その差に耐えられなかった。


 ホウホウに選ばれなかった僕が、これからどう生きろというんだ?


 そもそも、もう生きる意味なんて――――


「ああああああああああああああああああ!!」




――――――――――




「あっ……、れ?」

 僕は横たわっていた。

 慌てて体を起こせば、そこには使い慣れた布団。


「夢、か…………」


 なんて嫌な夢を見てしまったんだろう。
 エスパーではないから予知夢なんてものは見ないんだけれど。
 それにしてもさすがに気分が悪い。

 気晴らしにスズねのこみちでも散歩しようかな。
 今日は天気も良いし、あそこの紅葉はいつ見ても絶景だ。




 
 そしてまた、僕は絶望を味わう。

 気晴らしなんて永遠にできやしない地獄の円環の中で。





「僕を、僕を選んでくれ。僕を選んでくれ。もう見たくないんだ。もう――」

「こんにちは、マツバさん!」




――――――――――

無限ループって怖くね?っていうだけの話。
多分マツバさんが他に生きる意味を見つけるまでは永遠に続くと思います。
タイトルはアニポケ金銀でマツバの声優をなさっていた人のキャラソン(マツバのじゃないけど)から〜。
でも結構マツバさんに通じる歌詞ワードもあると思います(笑)おすすめ!

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