ぐれーぷ
くろいまなざし(ラン→マツ)
スズねのこみち。
地面の色が見えないくらいに紅葉で覆われたそこは、神聖なスズのとうに続く小さな道だ。もちろんこの道も一般人はそう簡単には通れないし、神聖といっても過言ではないだろう。
だからこそマツバは、目の前の黒づくめの男に嫌悪感を隠せずにいた。
「あなたがエンジュジムリーダー、マツバですね?」
ランスは帽子を手で軽く上にあげ、その双眸にマツバのしかめっ面を映した。
「確かに僕がマツバだけど……君みたいな人が、どうしてこんなところに?」
「どうしてロケット団が、神聖なるスズのとうの前に、一ジムリーダーでしかないあなたを呼び寄せたのか、と?」
二人の発する声以外は、紅葉が風に吹かれるカサカサという音くらいしかしない。完全な、マツバとランスの空間だ。
マツバはこの状況に危機感を感じていた。
「だったら、どうなんだい……?」
「一々聞かなくても分かるんじゃないんですか? その――“便利な眼”で」
「――っ!!」
ランスは途端に飄々としていた目付きをがらりと変え、マツバに距離を詰めた。
手慣れた手つきで小型ナイフを取り出し、マツバの首もとに当てる。
「ジムリーダーであるあなたはエンジュの伝説について良く知っている。その情報は私たちにとってとても役立つものなんですよ……」
「伝説のポケモンは、君たちみたいな人を選ばない」
マツバは鋭利なそれにも怯まず、ランスを睨んだ。その眼を見て、ランスは歪んだ笑みを浮かべる。
「おや? 冷たいですね。実を言うと、あなたがロケット団に加わってくれるとかなり助かるんですけどねぇ……その“眼”も使えますし」
こういったことで、自分が危険な立場にあることはマツバも既知していた。
「私個人としても、あなたで楽しめますしね……?」
「え……?」
それは予想だにしなかった言葉だった。
「エンジュのジムリーダーは女性人気がなかなか高いと聞いていましたが……予想以上ですね」
マツバを別の危機感が襲った。
「何を……ぼ、僕は男で……」
「知っていますよ? 美しさを愛でるのに性別は関係ありません」
マツバの表情が、ナイフを突き付けられたときよりも強ばり、全身で拒否しようとしている。
「マツバ……その顔、そそりますよ」
何を言っているんだ、この男は。
本能が、警告している。
――この男は、危ないと。
「もっと“美しいもの”を見せて下さい。私だけに」
「な…………」
警告音を鳴らし続ける脳と裏腹に、マツバの体は力が抜けていく。
ランスは小さな麻酔針を、地面へ崩れ堕ちるマツバに見せ付けるように翳した。
「美しいものは、その美しさの歪んだ瞬間こそが最も美しいんですよ……」
―――――――――――――――
むしろ私が病んでる\(^O^)/
なにこの有害物質
ランスがいろいろとおかしい
でもランマツちょっといいなって思ったりした←
タイトル?何それうm
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