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秘密特訓(ワタライ)

 
※ゲームより、竜の穴でのタッグバトルの後日設定

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 こいつは、一応チャンピオンをやっているんじゃないのか?



「そういう戦法なら、素早さの高いニューラは先頭に出したほうがいいと思うよ」

「…………」

「あれ、無視?」


 ここ――竜の穴は、昼夜関係無く薄暗く、じめじめしている。
 俺はほぼ毎日ここへ来て、――何と言えばいいのか分からないからポケモンの特訓としておくが、そういったことをしている。
 何もしないで最強になれるとは思っていない。きっとアイツも……俺や、そこの岩に座っている奴を倒したアイツも、こういうことをしているんだろう。

 まぁ最強になるのはアイツじゃなくて、俺だけど。


「そのフーディン、いい技構成だね」

「………………」


 それは置いといて、だ。


「聞いてるのかなー?」


「うるさい、何でいっつも来るんだよ」


 悪態をついたはずなのに、やっと返事をしてくれたねと微笑むワタル。変態か。

「気にせずどうぞ」

「忙しいんじゃないのかよ」

「忙しいよ?」

「だったら何で――」


 言い終わる前に、俺の視界はワタルに包まれた。


「なっ、何してんだよ……!」

「抱きしめてる」

「平然と言うなっ! 離せっ!」


 ワタルの腕の中でもがいてみるが、意外にコイツの力が強くてビクともしない。


「何で来るんだよって言おうとしたよね?」

「あ? ああ……」

「ここって薄暗くて、人気が無くて、地上には声も届かない場所でしょ?」

「……」

「そんなところに、こんな可愛い子と二人きりになるのはそれはもう至福のときだよね……」

「……うわぁあ離せ変態! 変質者! 露出狂!」

 声色を低くして耳元でそう呟いたワタルに、俺は危険を察知して再び暴れ出す。


「露出狂とは失礼だな……」


 そう言ってワタルは、俺の耳に熱い息を吹きかけた。


「っ……やめろ」


 っていうか前二つは否定しないのかよ。


「ふっ、可愛い」


 また変態なことを……と思うと、耳に少しざらりとした感覚。


「ひゃっ……ん、やめ……」


 耳の入り口をワタルの舌がいやらしく這う。舌の熱が耳に伝わって、何だかこそばゆい気持ちになる。


「……君はもっと自信を持ってもいいんだよ」


 ワタルは耳に触れるようなキスを何度か落とした。その度に俺の心臓は身体ごとびくんと跳ねる。

「へ……?」

 思わず、間抜けな声が出る。


「君の不器用な愛情は、ちゃんと君のポケモン達に伝わってる」


 そう言ってワタルは抱きしめている腕の力を少し抜き、今しがたいやらしいことを言っていたとは思えないほど穏やかな笑みを見せた。


「べ、別に……そんなもの、」


 俺の反論は、ワタルの唇によって封じられた。



「もちろん、僕にもね」






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後書き

はい、スライディング土下座ー!!
初めてびーえる書きました……こんなにむつかしいんですね
非常に気持ち悪い文になりましたぁぁあすみません

ホントはライバルが心配な変態ワタルでした!

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