ぐれーぷ
一から十までわかりたい(レグリ)
「なぁ、レッド」
俺の部屋。俺のベッドの上。
そんな狭いところで男二人が寝転がっていると、体も密接に触れ合う。
そんな状態ももう慣れっこな俺は、同じくそうであろう――飄々とした様子で俺の胸に手を置いているレッドに向かって呼びかけた。
「なに」
そいつは最小限の返事を寄越してきた。
「俺達って付き合ってんの?」
「…………さぁ」
「さぁ、って」
今の、結構勇気出して聞いたんだけど。そんな曖昧な答えだと、余計にモヤモヤする。
確かにまぁ、第三者に見られるのは明らかに宜しくないだろう状況でそんなことを聞くのはおかしいと思うが。
元は、ただの幼なじみだった。
いつからか覚えていないけど、幼なじみの域を越えたスキンシップをするようになった。
確か、レッドからだったような気がするけど。
それを大した抵抗もなく受け入れてしまった俺も大概だが。
相手がこいつじゃなかったら、断固拒否だったろうな。多分自分でも気付かない内に、この男に惹かれていたんだと思う。
でも、そんな気持ちを抱いているのは俺だけなんだろう。
元々何考えてるか分からない奴だ。俺とこういうことをするのも、特に理由なんて――
「……変なこと聞いちまったなっ。悪い悪い」
それ以上考えたくなかった。
さっきのは口が滑ってしまったんだ。忘れよう。このままの関係が一番だ。崩したくない。
「グリーン」
「な、何だよ」
レッドの顔がぐっと目の前に近付いてきた。驚いて仰け反ろうとするも、俺の頭はベッドの上にあるのだから意味がない。
無抵抗のままに、唇同士が触れた。普段のそれより、かなり控えめ。文字通り触れただけだった。
「んっ……」
「伝わってるかと思ってた」
いきなりキスしといて、平然とした口調でレッドは話を続けた。
「何、が」
「こうやって、俺の体から、伝わらない? 俺のキモチ」
お前の体? そんなモン、
「……あったかいだけだっつーの」
「うん。グリーンのこと想ってるからあったかいの」
満足そうに言ったレッドだが、俺の表情を見て僅かに首を傾げた。
「あれ? だめだった?」
「もっと分かりやすく言えっ」
語勢だけは強く言ってみせるが、顔が熱くてレッドの顔もまともに見れない。
「こっちだって恥ずかしいんだよ?」
「…………は?」
思わず、レッドのほうに目線を向けた。
「言葉で伝えるのは、苦手だから」
レッドの瞳は珍しく、戸惑うように揺らいでいた。というより、……照れてる?
散々いろんなことしてきたくせに、こんなところで照れんのか。
俺なら、言葉のほうがまだ――
「なぁ、レッド?」
「なに」
自分が恥ずかしいのを必死に抑えて、レッドの瞳を真っ直ぐに見つめて言ってやった。
「俺はっ、レッドが、大好きだからなっ――うわっ!」
宣言した瞬間、レッドが俺の上に覆いかぶさった。男一人分の重さに、少し顔をしかめざるおえない。
「グリーン……勘弁して。可愛すぎる」
「えっ」
触れてみたレッドの顔は、感じたことのない熱さで。
「俺は行動で表す、から」
その後もっと暑くなったのは、恥ずかしすぎるから俺の心の奥底にしまっとく。
...............
何が書きたかったのか
とりあえず気持ちの伝達手段が
レッド→行動で示す
グリーン→言葉で示す
の場合ってことですかね……
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