狸寝入り
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そう言うと、名前を抱えると去っていき、その様を男は茫然と立ち尽くして見ていた。
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(………?。またか!!また気絶したみたい。)
脱出しようにも出口がわからない。さっきみたいに、人に見つかると厄介だ。
ここは諦めておとなしくしていようか…
そう思って、とりあえず起き上がる。
(ひ…広い。なんだこの部屋…)
ふと右をみると、私に背中を向けて、誰かがPCの画面を見ている。監視カメラでも見てるのだろうか。でも侵入者は私だけだし、現に此処にいる。
『……!』
(あの時の白髪の人…白蘭だっけ)
(逃げられないし…寝たふりでもしようかなー)
そう思った名前は布団をかぶる。
───ガチャ
「失礼します。」
誰かが入ってきたみたいだ。すると背中を向けていた彼は、こちらに振り返る
(寝たふり寝たふり…)
「失礼します。白蘭様報告します、第14トゥリパーノ隊の報告によりますとキャバッローネは思いのほか手強いようです。こう着状態に入った模様です。」
「やっぱりね……」
「またメローネ基地より入江正一氏が日本に到着したとの連絡が入りました。」
「お。早いね正チャン
……見ない顔だね」
と白蘭が言う。どうやら相手はホワイトスペルとかいうロオナルド・リッピという人らしい。
じゃあ黒い服はブラックスペル?
なんで分けるんだろう
「頼まれてくれる?レオくん。日本に行った正チャンにさあ花を届けてほしいんだ。」
「花でありますか?」
「うん。白いアネモネを山のようにね」
(いや…、ちょっと待て。
"日本に行った?"じゃあ…ここは何処なの?)
「あの白蘭様。この寝ている娘はいったい…?」
「あぁ。名前チャンね…。
どうやら10年バズーカーで来たみたいなんだ。だから探すのに苦労したみたいだよ♪
この娘は、この先とても必要な子なんだ。」
「は…はぁ。」
(え…それって私利用されるって事?ははは!予想はしてたけどね!…隙みて逃げるか)
しばらくして、レオくんって人は出て行った。
が、
「起きてるんでしょ?名前チャン」
ばれてた…