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真紅の瞳
―――――





「「くらえええ!!」」







──ドカン



───バキバキッ



向かって攻撃してくる敵を前に名前は軽々とそれをかわす。






「なんだこいつ…!さっきとは別人じゃねえか!!」


「あいつの目…あんな目立つ色だったか?なんて奇妙な女だ。白蘭様が欲しがる理由も頷ける。」









『遺言は…それだけ?』







「「「「!?!?!?」」」」




男達が喋っている間にいつの間にか名前は後ろにまわっていた。一瞬の出来事だった。

そして静かに手を前につき出し奴らに向ける。
すると、たちまち男達の足元から黒い煙が出て包み込んだ。








─シュウウウ…

「な…何がどうなって…!?」




「お…おいッ」



───グッ






名前が開いた手のひらを握り締めた瞬間包み込んだ煙は徐々に縮んでいき、無くなった。名前の前には壁にめり込んだ男以外誰もいなかった。







『………。』





名前はゆっくり瞼をおろし次に開けた時は、紫に戻っていた。
(覚えてる。今私が何をしていたのか)



いつも記憶がなく、相手が怯えている理由が分からなかった。
でも、今は分かる。





自分が何者か分からない。
呆然と突っ立っていると、突然後ろから声が聞こえた。










「いやー。さすがだね、…名前チャン」





『!?』


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