目覚め
―――――
「───どうする?白…様の所連れ……か?」
「────いや、入江様に報…る。とりあ…寝かして……う。」
(……。)
意識が少し戻った名前は担がれながら途切れ途切れに聞いたが再び眠りについた。
───────
「何?苗字名前だと!?」
「はい。間違いないかと」
「そうか…ご苦労だった。白蘭さんにはこちらから報告しておく。」
「はっ」
───────
『あれ!?どこ…?』
ガバッと勢いよく起き上がったところで、
何があったか思い出してみる
『そういえば頭打たれて気絶したんだ…』
急いで逃げようと寝台から降りるが、頭の傷のせいでベッドから崩れ落ちてしまった。
『いったあ…っでも早く逃げないと』
こっそり静かにドアを開けて出る。
人目を避けながら出口を探すがどこにもない。
(ひ…広すぎるっ!!早く帰りたい…)
ジリリリリリリ
突然大きな音が聞こえた
『も…もしかして逃げたのがバレ…「見つけたぞ!!捕まえろ!」
『やっぱりー!!』
白い服を着た5人の男が追ってくる皆さん揃って武器を持っている。だから捕まったら色々とまずい。ほら、ボコられるとかさ…
タタタッ
──シュッ
すぐに名前は走り出したが、自分の横を一瞬何かが通り過ぎた。
ドオオンッ
『!!?!?』
壁が崩れ落ちたため道が塞がれてしまった。
(な…に?これ…。当たってたら間違いなく死んでる)
てゆーか何処からこんな…
彼らをみる限り爆弾みたいなものは持ってなさそうなのに
「手荒なまねはしたくねぇんだ。おとなしくしな」
といい手首を掴まれる。
───(もう何がどうなってるの…いきなり連れ去られて殺されそうになって…)
(まだ死ぬわけにはいかない。何よりこいつらが許せない。私が何したの…)
ふつふつと怒りが沸き起こる。
─────プツン
「おい。早く来い!!」
強引に名前をつれていこうとしているが
『……せ』
「ああ?」
『離せ!!』
──ブンッ
ダアアアンッ
捕まれていた手を逆につかみ返し投げた。
──「が…っは…」ミシッと音を立て壁にめり込んでいる。
残った4人の男は唖然として立ち尽くしていたが、すぐに我にかえり攻撃しようとする。
「小娘如きが…!!構わん!殺れー!!」
くるりとこちらを向いた少女のもともと紫だったはずの両眼に真紅の瞳が現れた。