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災難
―――――





『いたたた…』


何があったんだろう。
立ち上がって見渡してみると明らかにさっきいた場所ではない事が分かる。

でも此処は変わらぬ並盛。

と、とりあえず歩こう。











『わぁーだんだん暗くなってきた。それにしてもいつもと道が変わってるような…。早いとこ家に帰らなきゃ。』

あえて気にしなかったが、歩く度に不安が募る。在るはずのない建物、近所の賑やかだったはずの店は閉店し道も新しくなっていた






───────





「あのー。人を探してるんだが」



『……?あーどんな人でしょうか…』

困っている人はほっとけない。私に出来る事なら手伝ってあげましょー。

ただ、この人より自分自身困っているのだという自信がある。それはもちろん



『私の家どこでしょう?』




「あ?」




………なーんて事聞けるはずもない。

ていうか、この聞き方じゃクイズみたいじゃない。
むしろ変なおじさんに聞くのって何考えてんだ私

そうだ交番に行こう。

ん?今この人何か言った?

「口に出てんぞ」

『あ。』

めめ目が怖い!何なんだこの人達。イタタな目で私を見てる。



まあ、あえてスルーしてくれたからよしとする。

数人の若い男が写真を取り出して渡された。





(私今それどころじゃないんだけどまあいいか。)




とりあえず名前は受け取り見てみる。



(ん…誰かに似てるような…)




「この家に住んでる娘なんすよ。笹川京子っていうんですが。知りませんかねぇ」





(へ…京子!?この子が?明らかに大人っぽくなってる。髪長い…)

でも同姓同名かな、?
京子ちゃん髪短いはずだし…

でも顔はそのまま。

この並盛に彼女に似た人なんか見たことない。

だったら、いったい此処はどこなんだろう。
未来に来たとか?





『あ…。すみません知らないです。』



「そうですかー。じゃあこれも一応見てくれませんかねぇ。」



今度は数枚渡された。





(これは…ハルちゃん?やっぱり大人になってる)

パラパラとめくってみる
『……!?』

バサバサ


あまりに驚いたためか、写真を落としてしまった。

『…っあ!ごめんなさい。』
すぐ拾おうとしたが「あぁーいいですよ。」と言われ先に拾われた。




(……やばい。逃げた方がいいのかも。この人達、私の事も探してる……!!)




写真の中の名前は顔も大人びて、目は赤く冷酷に見える。あまりにも雰囲気が違うが自分を間違えるはずがない。


バレるのは時間の問題だろう。





『あ…!もう真っ暗なんで帰ります!それでわ!』



足早に退散しようとするが遅かった。



「あぁ…。
ん…?おい。ちょっと待て」





(や…ばい!!)

ピタッと立ち止まってしまった。



ゆっくり男達のほうを向くと何やら話合っている。


「…!!本当だ。この娘!」

「ああ。顔は幼いが違いない。捕まえろ!」



言い終わる前に名前は走った。

(何故早く逃げなかったんだろう…っ!!)



──ドカッ




(…なっ何が起き…っ…。)


頭に強い衝撃を受け倒れた。


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