回線で
―――――
カーテンの隙間から太陽の光が名前の頬を照らす。
『…ん、朝か……』
頭痛も、だるさもすっかり治ったみたいだ。そして、すっと起き上がる
『ふあー…、
めちゃくちゃ変な夢見たような…。』
思い出すだけで顔が赤くなる
なんて夢をみてしまったのだろう
名前はベッドから降りようとしたが、固まった。
ベッドのすぐ横にあった小さなテーブルに、飲みかけと思われる水とビンに入った薬が置かれていた。
(…………あはは)
『夢じゃない…!!』ガーンという表情をした名前だが、すぐに恥ずかしさに顔を赤らめた。
『はあ…どうしよう』
どうやって顔を合わせるんだ。
あえてとばしたけど…、とりあえず私のファーストキッスなんですが。
気にしないけどさ…これくらい
顔を赤くしたり青くしたりする名前に
────ピッ
「何、百面相してるの?名前チャン」
声がした方を恐る恐る振り返る
(あ、なんか映像で良かった。
今ちょっと会いたくなかったし…恥ずかしいもん…)
『びゃ、白蘭さん…』
「やあ♪」
画面の向こう側でニコニコと笑んでいる白蘭に名前は
『あのー…昨日なんで…』
名前言い終わる前に白蘭が話し始めた
「ん?ああ、あれ?薬飲ませてあげたんだよ♪
名前チャン寝てたから口移しで
うーん、でも起きてたみたいだけどね」
『あ…薬…、ありがとうございます
じゃなくて!!飲ませた後ですよ!』
(何のためにキスしたんですか)とまでは言い切れず、白蘭さんの言葉を待つが──
話しを流されてしまった。
(え…何、教えてくれないの…?)
もういいや、どうせ対して意味はないだろうから。
白蘭さんが回線から私に連絡してきた要件は、結局…
「マシマロとかお菓子、沢山取り寄せたんだ。名前チャンも食べに、此処においで♪」
(いらねえよ)
だんだん性格が変わっていることに本人は気づいていない。