熱
―――――
あの一件以来、修業しても我を忘れて、知らない"私"が出てくることはない。
いつ出てくるかわからないが───
ただ、あの"私"を出してコントロールできないと何も始まらない。
ただ…今までにはなかった戦闘力は今確かにある。
だから、そこらの奴らなら今なら倒せそうだ。そんなことするつもりは毛頭ないが。
『ふうっ疲れたー!』
ここ最近、自主トレというかイメージトレーニングを1人でやり続けている。
当然疲れは溜まっているわけで──
──ふら…
『…っは!だめだだめだ。しっかりしろ私…』
ちょうどその時誰かが入ってきた。
「やあ、頑張ってるね♪名前チャン」
『うー、……はあ。白蘭さん〜…』
「お疲れさま♪」
『うー…はあー。…』
「名前チャンー?」
白蘭が来ても、ぼーっとしたままで、ふらふらと近づく。
そして白蘭の名を呼ぼうとした途端に
───ドサッ
そこで、白蘭の胸板に倒れこんだ。
どうしたのかと不思議に思った白蘭は名前の額に手をあてる。
「熱みたいだね」
そう言ったと同時にすぐベッドまで運んだ。
「名前──」
意識がもうろうとする中、白蘭が私の事を呼んだ。
何故か───大切な物をのように。
(私は…利用できる大事な道具だから──?でもどうせ、そうなんだろうなー…)
そして…眠りについた。