変化
―――――
──バイト中──
ガタンッ
「うわあぁ…!!」
「な…なんだよお前…っ」
気づいたら3人の客が自分を見て怯えている。
急に店に来て酒をのんで、ナンパしてきたと思ったらこの様だ。
椅子から転げ落ちている。
ちょっと、周りのお客さんこっち見てるじゃないですか。
あーやだやだ。
あまり問題起こしたくないのに。
『…?あのー…。私が何か?』
意味が分からずも無理矢理に笑顔をつくって話しかけてみた。
しかし、そいつらに近づこうと歩いた瞬間「ヒ…ッ」と言いながら出ていってしまった。周りを見ると、急いで視線を外される。
辺りは気まずい雰囲気で、しーんとしている。
(あー全然記憶がないんですけど。いったい私が何したっての)
このような件は、実は今回だけではなく、5回も同じ事があった。
不良に殴られそうになった時など身の危険が迫った時には必ず今のようになり、はっと気づいた時には決まって相手は怯えている。
いやいや、それ以前に不良集団の所に居合わせてしまう運の悪さを疑う。
「……あー…苗字…悪いんだが」
『クビですよね店長。分かりました』
言いにくそうに私に話す店長に苦笑いし、了承した。
(まあ慣れてるから良いんだけどね。)
次のバイト探さないと。
此処結構好きな店だったけど
次から行きにくくなっちゃった。というより当分行かないよね普通…
仕方ない。ケーキでもやけ食いしてこのストレスでも発散しよう。
ため息をつきながら歩いていると、空から風邪をきる音がする。何気なく自分の真上を見上げると牛柄の服を着た小さな男の子が降ってきているではないか。
降って……?
(は、落下?てゆか吹っ飛んで来てるよ何で?何があったの!?)
いや…でももしかすると、わざとかも!落下ーって見せかけてなんか美しく着地するかもしれないし。
ほら、シュタッってね
うん、だから大丈夫よ名前。
いきなりの事で吃驚したためか変な考えで自分を落ち着かせる。
でもよく見てみると見覚えがあった。
『あれ、あの子ってツナん家にいる…ランボ!』
あのガキンチョにそんな可憐な技ができるわけない!
出来る人なんているのか知らないけど!
このままじゃ、まずいと思って受け止めようと走り手を伸ばすと、モジャモジャの頭から紫のバズーカーが出てきた。
『ん、何だこれ…っきゃあ!』
私はバズーカーを頭から被る形になりボフンという音とともに
あっという間に煙に包まれてしまった。それからの記憶はない。