利用価値
―――――
『あれ朝だ。あれからどうなったっけ?寝た覚えはないんだけどな…。』
本当どんだけ寝るんだ私…。と思いながら起き上がる
──ズキン
『い…った』首やら腕、背中に痛みがはしる。
(……寝相そんなに悪かったのかな…。)
シュンとしていると、誰かがドアを開けた。
「やあ。起きたみたいだね♪」
顔を上げると、白蘭さんだった。
よく見ると服は所々破けていて左手をさすっている。痛そうだがいつものように笑顔だ。
(ど…どうしたんだろう。
なんか戦ったみたいな感じかな。
私もなんか所々痛いし…
まさかね。
「気づいたみたいだね。
そうだよ名前チャン。狂気にまみれた君が出てきちゃった♪
相当外に出られないのが嫌だったんだね。でもまさか出てくるとは思わなかったよ
だから油断した」と言いながら左手をひらひらとさせる
へ…?
なんかあの強い方の私が出てきて、このボスである白蘭さんに攻撃した?
しかも私が一方的に…
なんなの私馬鹿なの?自殺行為じゃん
まあ、手加減してくれたんだろうけど。
『ご…ごめんなさい…私、記憶なくて。』
「フフフ。まあしょーがないね
どの世界でも見てきたけど、僕に攻撃してきた"名前チャン"は2人目だね。」
やっぱり僕には君が必要だ。とか言ってる
『へ?そんな凶暴なのに、'私'を含めて2人だけ!?』
「……まあね」
(というか…やっぱり私は道具にすぎないのかな…)そう思うと悲しくなってきた。
自分の服もボロボロだ。どうしょう、と服を見る。
それに気づいた白蘭さんが
「ああ。服なら用意してあるよ。正チャンに前頼んでおいたからね」
『あ…ありがと…
正チャン?』
「うん。僕の最も信頼する部下さ」
(……へえ…としか言えない)
でもとりあえず服とかがあって良かった。