もう十年近く昔になるだろうか。あの1999年の冒険の中で、ヤマトはデジタルワールドの構造について光子郎の立てた仮説を聞いたことがある。
たしか、サーバー大陸に辿り着いて最初の夜だ。静かな夜で、いつものノートパソコンを広げる光子郎の前にはたき火があった。あかあかと燃える火を囲んで、丈や空、そして太一も一つ下の参謀に視線を注いでいた。年長組の5人が眠れずに話し込んでいるうちに、小さな声で光子郎が切り出しのだった。
「みなさんは、タグと紋章っていったいなんだと思いますか」
いきなりの質問だった。太一が怪訝な顔をして、声を上げる。
「何だと思うって……タグはこの、首かざりっていうか、紋章のホルダーだろ? それで紋章っていうのは、ここに入る、んー、なんだっけ?」
「私たちの個性をもとにつくられた、進化のためのアイテム、って言ってたわね」
空が助け船をだす。太一は、「ああ、それだそれだ」と笑った。
七人は数日前にファイル島を出、ホエーモンの協力を得て今日サーバー大陸にたどりついた。そこでゲンナイの指示を受け、次の進化のためにそれぞれの紋章を探している。
「そのタグと紋章が次の進化に必要だということがひっかかるんです。皆さんは、HTML構文というものをご存知ですか」
「全然」
「いいや」
「丈先輩は?」
「僕は……ちょっと専門外だなあ」
丈が情けない声で首を振り、視線は再び光子郎に集まった。
「HTML構文と言うのは、つまりWEB上で使える暗号のようなものです。これはさまざまな種類と形態を取っているんですが、今全部を一気に説明するのは難しいので省きます。しかしどんな種類の暗号でも、必ず使わなければならない共通する約束事があるんです。それは、暗号の内容を、『タグ』と呼ばれる要素で挟まなければならないということです」
聞きなれた二文字の単語に、四人は反応した。
「そしてこのタグという要素にも、約束事があります。半角の不等号という記号を用いて表さなければなりません」
光子郎は、地面に不等号の形を描いて見せた。『<』、『>』という単純な図形が並ぶ。
「この記号知ってる。数学でやったわよね、太一」
「そっかあ? 覚えてねー」
「馬鹿っ、四年で習うんだぞ」
「数字の大小を表す記号だよね。これが、どうかしたのかい?」
「HTML構文のタグは、小なり、要素名、大なり、という形で表わします。要素名というのがつまりさっきお話しした暗号です。その形は……こうなります」
土に書かれた図形に、光子郎は文字を追加した。
『<要素名>』
鉛筆代わりに手に持っていた木の枝を置く。それから光子郎は、自分が首から下げているタグを持ち上げた。タグは長方形の両端に台形と三角形をそれぞれ一つ付けたような形をしている。真ん中の透かしの空間に紋章がはまるはずだが、それが完成しているのは今のところ太一だけだ。
「似た形をしていると思いませんか」
四人の上級生は、光子郎の右手から下がるタグを目を丸めて見つめた。
「HTMLの要素が二つの不等号に挟まれて初めてWEBに反映にされるように、タグと呼ばれるホルダーの中に紋章が入ることで次の進化が可能になる。これはデジタルワールドにおけるHTML構文の暗喩なんじゃないかと思うんです。つまり、この世界でタグと紋章をそろえるという行為は、WEB上において『デジモンを進化させる』という暗号を書き、それを実行するのと同じ意味なんじゃないでしょうか」
「おいおい」
無理に笑いを含ませた声で、太一が口を挟んだ。
「じゃあなにか? 俺たちはその暗号を完成させるために、タグと紋章をそろえてるってことになるのか?」
「そういうことです」
「光子郎。お前の言い方だと、俺たちは今ネットやパソコンの中にいるみたいに聞こえるぞ」
「実は、そうなんじゃないかと思ってるんです」
光子郎の黒い目が四人を見渡す。
「今日、ゲンナイさんの話を聞いて、ずっと考えていたんです。ここはどこなのか、どうして黒い歯車を壊すと凶暴だったデジモンが元に戻るのか。ファイル島にあったアンドロモンの工場で、この世界では情報とプログラムそのものが実体化しエネルギーを持つことがわかっていました。それで今日の話を聞いているうちに、この世界がプログラム上の空間にあるんじゃないかと思いついたんです」
「この世界は、現実の世界じゃないってことか」
「はい」
「じゃあ、俺たちは今どういう状態なんだ?」
「メモリ上のデータ……情報のかたまりになっているんじゃないかと思います」
太一は少し俯いて考え込む。
「体がなくなって、精神だけになってるってことか」
「体があるという情報は存在すると思います。でも、実体としての肉体があるかどうかはわかりません」
「そんな」
丈が不安げに声を出した。
「つまり、僕らはデータになってしまったのかい? こういう外見の顔をして、このくらいの大きさの体を持って、こんな考えをするというデータ上の存在に」
「はい」
「それじゃ……それじゃなんだか、なんというか不安定だ。ちゃんとした実体を持っていないだなんて、まるで幽霊みたいじゃないか」
五人の間に沈黙が下りた。光子郎が上ずった声で付け足す。
「あの、あくまで仮説ですから」
「そだな」
太一がにっと笑い、その場はそれでお開きになった。


大学生になったヤマトは、今でも光子郎の語った仮説を覚えている。あの冒険の中で、それは真実を言い当てていたことが分かり、十年たった今でも光子郎はデジタルワールドの謎にのめり込んでいる。
デジタルワールドへつながるゲートを開けるようになったのはかなり前の話だが、光子郎はそのときにも仲間の肝を冷やすようなことを呟いた。
「おかしいですよね。ネットの世界は国境を越えたある一定の決まりに沿って動いている。Aという暗号によってBという処理が実行される、というようなルールの元に成り立っているんです。なのに、そのネット世界で使用されるタグやコードが現実世界にも反映される。こんなことはネットと同じルールがこの世界にも敷かれていなければできません。これってまるで、人間の世界も誰かにプログラムされているみたいじゃないですか」
額に風を感じ、ヤマトは目を開けた。視界一面を白い光が塗りつぶす。
今立っている場所は、真っ白な球形の空間だ。光子郎によればWEB上のフリーアドレスがこの空間の正体だという。現実世界にこの空間があるわけではなく、デジタルワールドと同じように、アドレスが所属するレンタルサーバの容量がわかりやすい形で情報体となったヤマトの視界に映し出されている……ということらしい。
十年たっても光子郎の専門用語だらけの話は理解できないままだが、あの冒険を通じてその言葉を信頼するだけの関係がつくられていた。
『ヤマトさん、無事に転送できてますか』
空中に巨大なスクリーンが現れ、そこからインカムをつけて覗きこむ光子郎にヤマトは頷いた。そして、視線をスクリーンの下方に落とす。
アドレスは太一の携帯へも送っていた。ヤマトよりも先に辿り着いていたらしく、黄色いたてがみを揺らして浮かぶディアボロモンの姿がそこにあった。
「ディアボロモン。聞こえてるか。よくも太一を人質にして、俺たちをさんざんゲームに付き合わせてくれたな」
言ってから、ヤマトは乾いていた唇を湿らせた。
「今度は、俺たちのゲームに付き合ってもらうぜ。……あと少しで、大輔と賢がここに来る。お前も覚えてるだろ? 本宮大輔と一乗寺賢、2003年の東京湾でお前を倒した二人だ。その二人が、パートナーデジモンを連れてここに来る。もう一度お前を倒しに」
クラモンの頃の活発な様子は何処に行ったのか、ディアボロモンは微動だにしない。大きな二本の手も力なく、だらりと垂れ下がったままだ。
聞こえていないのか? いやそんなはずはない。ならこの無反応は……まさか、すでにゲームに飽きたということはーー
内心の動揺を隠して、ヤマトは口端を釣り上げた。
「なあディアボロモン、ゲームをしないか? お前にとってはめったにないリベンジの機会だ。なんの邪魔なしに、俺や大輔たちと戦える。ただし、お前が負けたら太一を返してもらう。どうだ、良い条件だろう!?」
ヤマトが言葉を切った瞬間、ディアボロモンが動いた。目で追えないほどのスピードで横に飛びすさり、空間の曲がった壁に張り付いた。蜘蛛のように広げた四肢の真ん中にある顔が、カカカカと軽快な音を立ててこきざみに揺れる。
ヤマトの目には、この無表情なデジモンが笑っているように見えた。
笑うディアボロモンの腹が突然風船のように膨らんだ。かと思えば顎ががくりと大きく開き、何かを吐きだそうとする。何度かえづいた後、ディアボロモンは縦に伸びきった口から、青い巨大なボールのようなものを勢いよく吐き出した。
ヤマトは息をのむ。ボールの柄は、青地に黄色い星模様だ。
「まさか……」
それはくるくると回転してあたりを飛び跳ねた後、キャンディの包み紙を開くようにふわりと形を変える。中から出て来たのは体を赤ん坊のように丸めた、大学生姿の太一だった。
ケタケタケタケタ……と、ディアボロモンの笑い声が響いた。
「この……!」
ヤマトが怒りの声をあげるよりも先に、空間の壁面に穴が開いた。そこから、私服のジャケットを羽織った大輔が飛び出してくる。
「この野郎、太一先輩を離せ!」
「すみません遅くなりました!」
賢はヤマトを挟んで反対側の壁から現れた。中等部と同じ白い学ランで、髪が少し伸びたらしい。
「大輔、賢。来てくれたか」
「話は泉先輩から聞いてます! 畜生ディアボロモンの野郎、先輩にやりたい放題しやがって……!」
「微力ではありますが、僕たちにも戦わせてください」
二人の足元にはそれぞれのパートナーがいる。そしてヤマトの背後に真っ黒な穴があき、そこから水色の怪獣が飛び出してきた。大きな赤い目がにっこりと笑う。
「ヤマト、久し振りだね」
「ああ」
その優しい視線に、乱れていた神経が落ち着くのがわかる。大切なパートナーに笑い返し、ヤマトは改めて倒すべき敵へと向き直った。


ディアボロモンへ立ち向かうには、ブイモンとワームモンがジョグレス進化によりインペリアルドラモンになる必要がある。しかしただ進化をするだけでなく、その間にディアボロモンを引きつけておく必要があった。なにしろ進化中もお構いなしに攻撃してくる敵だ。一秒も油断はできない。
他の空間やデジタルワールドで進化させてから転送するという手段も考えられたのだが、一般回線では情報量がオーバーしてしまう。
そのため、光子郎はディアボロモンをネットの空間に呼び出す前に、連絡のついた選ばれし子供たちとパートナーたちをグループチャットに収集した。
「もう、急な呼び出しで失礼しちゃうわよね!」
真っ先にスクリーンから不満そうな声を上げたのは、真夜中のアメリカから通信しているミミだ。
「そんなに大変なことになってるなら、早く言ってくれればいいのに。ヤマトさんも光子郎くんも変なところで秘密主義なんだから! それにみんな勢ぞろいじゃないなんてー! 選ばれし子供たちとしての自覚が足りないわ!」
「前回ハワイに行ってた人の言うことじゃないと思うわ……」
眉をつり上げるミミの隣に、苦笑する空を映したスクリーンが現れた。すぐに、最年長の彼の姿も加わる。
「僕らも人のこと言えないけどね……ところで、ヤマトも光子郎もまともに休んでないんじゃないのかい? 酷い顔色だよ」
「本当ね。二人とも大丈夫なの?」
不安そうな丈と空の表情に、ヤマトは「心配ない」と手を振ってみせる。
「少し眠いだけだ」
「僕も大丈夫です。それより、すみません。いきなりピヨモンたちをお借りすることになって」
「ああ、しかも陽動だなんて……」
ヤマトと光子郎が考えたのは、テントモン、ピヨモン、パルモン、ゴマモンの四体が陽動となって攻撃を受けるうちに、他の三体が進化を済ませるという作戦だ。早い話が、攻撃を受ける楯になってくれと言うことになる。
さすがに暗い顔になるヤマトへ、丈が甲高い声を上げる。
「そんな、水臭いよ! デジモンのトラブルが突然なのは今更だし。それに、いつも僕らは協力してきたじゃないか」
「いつもっていうと語弊があると思いますけどねー。でも、仕方ない! 太一さんを助けるためだもん。可愛いパルモンを貸してあげようじゃあないの!」
「あら、ミミ! 可愛いだなんてうれしい!」
このグループチャットは光子郎の特別製で、デジタルワールドとも通信可能だ。握り拳を作って言い切るミミに、パルモンが大きな目を緩ませる。
「あったり前じゃない! パルモンはいつだって可愛いもん!」
「ミミー!」
「えー、じゃあオレは? 丈、オレはかわいい?」
「え、ええ……困ったなぁ……」
「アハハ! みんな仲良しだね、空」
「そうね。それと、私はピヨモンが一番可愛いと思うわ」
「エヘヘ。やーね、空ったら!」
ヤマトと光子郎は顔を見合わせた。まるで、さっきまで二人で深刻に悩んでいたのが嘘のような明るさだ。
「皆、ありがとうな」
救われるような思いで頭を下げるヤマトに、光子郎が頷いた。


こうして、成熟期となった四体のデジモンが楯となる作戦は、途中まで成功した。いかに ディアボロモンといえども一度に四体を相手にするのは困難なようで、子供たち側は殆どダメージを受けずにいた。
誤算だったのは、ディアボロモンが分裂して五体となり襲いかかってきたことだ。
『みなさん、下がってください!』
光子郎が叫ぶ。まだ進化途中だったインペリアルドラモンを、ワープ進化を途中で切り上げたガルルモンが咥えて運ぶ。他の四体が必死に増えたディアボロモンを相手にするが、次々に倒されていく。
『一つにかたまって、どうにかしのいでください!』
ガルルモンが先頭に立ち、他のデジモンが進化する隙を作った。いちはやく進化を終えたリリモンが飛び出したが、二匹がかりの機敏な動きに翻弄されてタネモンに戻った。急いで光子郎が避難用リンクを作成しデジタルワールドへ回収する。
「こりゃしんどい戦いですわな」
テントモンがぼやきつつ進化に入り、その横でバードラモンが火の雨を敵の一匹に浴びせている。
メタルガルルモンとインペリアルドラモンがようやく進化を終えたころには、味方のデジモンはすべて光子郎の手により回収されていた。
それを見て、五つに分裂していたディアボロモンがそれを確認して一体に戻る。
「一人で十分ってことかよ!」
「よせ、大輔」
賢がはやる大輔の肩を掴んだ。一旦距離を取り、二匹と三人はディアボロモンをにらみつける。
「光子郎、どうするんだ」
『こういうのはいつもなら太一さんの役目なんですが』
太一は丸まったまま、球形をした空間の頂点に浮かんでいる。透明の膜が体を包み、丸い風船の中に閉じ込められているように見える。
『ディアボロモンの目的は、2003年時のリベンジ。インペリアルドラモン・パラディンモードと一騎打ちを望んでいると思われます。わざわざ分裂した五体を一体に戻したのもそれが理由でしょう。一対一になる状況を作れば真正面から向かってくる可能性は高いと考えられます』
光子郎の説明に三人は頷いた。
『そうなると基本戦術は、インペリアルドラモンとディアボロモンの二体を切り合わせ、離れたところからメタルガルルモンが射撃により援護。近接と遠距離を組み合わせ消耗戦に持ち込んで倒す……こんな感じでしょうか』
「と言ったって、オメガモンが居ないんじゃパラディンモードになれないんじゃないか」
宙に浮かんだスクリーンの中で、光子郎は渋い顔になった。
『こんな方法はいかさまでしかありませんが……』
大輔と賢が声を上げる。二人の目の前でインペリアルドラモンが変化していった。足元から光の粒子に包まれるようにして、インペリアルドラモン・ドラゴンモードから、インペリアルドラモン・パラディンモードへ変わっていく。
『ヤマトさん、昔したタグと紋章の話、覚えてますか』
「ああ、覚えてる」
『あれの応用です。デジモンの進化がコンピュータ言語で成り立つとするなら、この空間内で見かけだけ変換するコードを適用してしまえばいい。デジモンの要素そのものを変えることはできないので、本当に見かけだけですが」
冷静に語る黒い目に、ヤマトは十年前を思い出す。
『敵も、この空間の容量を考えればアーマゲモンには進化できないはずです。無理に進化すれば動作が重くなり、2000年のときの二の舞になりますから。条件上は五分と五分です』
ヤマトは頷き、賢と大輔を肩に乗せる白いデジモンを見やった。そして反対に青黒くたたずむディアボロモンをにらむ。本当ならオメガモンで一層してやりたいところだが、ゆずってやろう。
「賢、大輔、頼む」
「はい!」
大輔は親指を立て、賢は肩越しに笑い、ディアボロモンへ向かっていった。
どういうコードを打ち込んだのかは知らないが、パラディンモードのインペリアルドラモンはディアボロモンと互角の戦いを見せた。メタルガルルモンは組み合う両者の後ろから砲台としてディアボロモンを狙い撃ちする。
どうやらこちらが押している――
攻撃のタイミングを見計らいながら、ヤマトは慎重にその事実を認めた。
ディアボロモンは少しずつ追い詰められていった。二対一の状況下、更にインペリアルドラモンの正面から離れないこともあって、得意の素早い動きが活かせないでいる。どうにか体勢を整えようとしても、メタルガルルモンの射撃がそれを阻んだ。
ミサイルを立て続けに浴びせられ、バランスを崩したディアボロモンの胸元をインペリアルドラモンの剣が横なぎに切り付けた時、ヤマトは勝利を確信した。青い体が前のめりにかしぐ。白いデジモンの剣がふりあげられる。空気をなぐ音が重く響いた。
その時、青黒く大きな手が、上から下へ払われたように見えた。
二匹のデジモンの間に何かが現れた。反射的にインペリアルドラモンの動きが止まったが、それは幸運だった。突然の乱入物を間近に見た大輔と賢は愕然とする。
不意を突かれた白いデジモンに向かって、ディアボロモンの胸の砲塔が唸りを上げた。
「しまっ……!」
インペリアルドラモンの胸元を貫いたディアボロモンの必殺技は、カタストロフィーカノンという名前だった。ジョグレスが解け二匹に別れた相手に構わず、ディアボロモンは素早く旋回する。自分が狙われていると知ったヤマトはメタルガルルモンに攻撃の命令を下そうとして硬直する。
ディアボロモンの体の前には、背中を丸めた太一の姿があった。
「くそっ、この野郎ーー!」
『ヤマトさん!』
ディアボロモンのエネルギー弾が撃ち込まれる前に、光子郎はヤマトとガブモンをデジタルワールドへ回収した。標識の乱舞する色とりどりの通路の中、ヤマトはやり場のない怒りを叫ぶことで追いやるしかなかった。




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