視線があってその気になって
そしたらcrazy 止まらな Yeah!

とはなんとやら、その気になって
とまらないのは自分のこと。
なぜ、なぜ、彼なんだ!接点よこせ!
接点といえば中学時代しかない、のに!
どうして彼が気になって気になって仕方ないのか。

「…ソートー病気ッスわ、これ…」

彼のこととは誰のこと?
それは意外や意外、秀徳高校緑間真太郎。
キセキの世代といわれる彼のことがどうにもこうにも気になって気になって仕方ないのである。

きっかけはたぶん、些細なこと。
例えばメールを気まぐれに送ったら返してくれたとか、例えばたまたま試合に負けた時に慰めてくれたとか、例えば街中で会ったら構ってくれたとか、
そんな、気にもしないようなことだった。

恋愛に疎い、彼のこと。
ましてや同性から好かれるなんて、夢にも思ってないだろう。

「不毛ッス…」

考えれば考えるほど、ぐるぐる。
まさか本人に言える訳はないし、誰かに相談するのも無理だ。
黒子っち?青峰っち?火神っち?紫原っち?
浮かんでは消える相談相手を想像しては首を横に振った。

なんとなく、手持ち無沙汰。
携帯を取り出してメールを作成する。
こういう時携帯は便利だなーと思う。
………ぱたんと、その辺に携帯を置いて数十秒。
着信音が部屋に鳴り響く。
流れてるのはさっきの曲だ。チキンの自分を少しでも勇気付けようと設定した曲。GUMIちゃん可愛い。

「もしもーし、黄瀬ッスよー」
『暇だからと俺に連絡をするのはやめるのだよ』
「だって緑間っちしか構ってくれる人居ないんス…」
『寂しい交友関係…』
「うっ…寂しいオレのことを思って構って欲しいッスー」
『断る』
「つれない緑間っちもいいけど優しくして欲しいッスよ」
『気持ち悪い事を言うな』

電話越しに聴こえる彼の声はとても穏やかで優しい…棘があるのは愛嬌だと思うようにしている。
惚れた弱み、もうなんでもいいっていうのはおこがましいだろうか。

「緑間っちー…」
『…ハァ、……家に居るんだな?」
「え、来てくれるッスか!わあああ!」
『電話口で大きい声をだすな…』
「やっぱり電話してみるものッスねー!待ってるッスよ!」

まさか彼が自宅に来てくれるとは、
何度か家にはあげているがこんなにぽんぽんと決まるのははじめてだった。
どのくらいでこれるか、その辺りを
話し終わってまた携帯をその辺へダイブさせる。

「さーて、ここもちょっとは片付けないとッスねえ…」

脱ぎ散らかした衣類、諸々の片付け、彼がくるまでになんとしても終わらせなくてはいけない。
試合開始(彼がくるまで)あと数十分。

人知れず、試合開始の音がした。





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