030「KNOCK」





はぁ〜い、チャオ〜!!

ヴァリアーのアイドル、ルッスーリアよ〜〜ん!!


私視点の話は初めてねん♪

需要は無いかもしれないけど、レヴィ程じゃないと思ってるわぁ。



じゃあ早速本題に入るわね。


(いきなり真面目になるなって?
仕方ないじゃなぁい、私の口調って文字で打つの結構面倒なのよ!!)



実は、最近満天ちゃんの様子がおかしいのよねぇ。

ボスとの会話もあまり弾んでないっていうか…
(いや元々弾んではいないけど。)


ぶっちゃけ、ボスを避けてるっていうのかしら?

「おい満t「すいませんトイレ行ってきます」……。」

みたいなやり取りが増えたというか。



それが原因なのか、ボスの機嫌も右肩下がり…私達にも沢山のグラスにも、被害甚大なのよねぇ〜。


もしかして満天ちゃんてば、またボスとの性生活うまくいっていないんじゃ……

んもう!!

もしそうなったら、(もう皆忘れてるかもしれないけど)珠紀ちゃんのお風呂要塞化計画が歴史の影に葬られるじゃないのっ!!



大変ね……

珠紀ちゃんの貞操の危機だわ!!!




「満天ちゃん!!」

「え、なに?ルッスーリア。」

「あなた…もしかして、またボスと何かあったの?」

「何も無いけど……」




んまっ

この子そっぽ向いたわよ!!


確実に何かあるわね…




「嘘よ。
だって、ボスの機嫌があんなに左右される理由なんて、あなた以外に原因があるはず無いもの!」


「スクアーロの発言は?いつもグラス投げられてるでしょ?」


「あれは苛立ち、これは違うの。

そう、まるで焦燥感と絶望感の狭間でやるせなさをひしひしと噛み締めているような…」


「ルッスそんなに日本語出来たんだ!?」




私のフルパワーよん。
中々頭もいいんだから!


と、それはどうでもいいのよ。




「で、どうなの。」

「……言わなきゃ駄目?」

「暗殺しちゃうわよ。…私がボスに殺られるけど。」

「……じゃあちょっと、私の部屋まで来てくれない?」


「…わかったわ。」




そんなに言えない内容なのかしら…っていうか、そりゃ性生活ですもの、言いづらいわよね。


とまあそんなこんなで満天ちゃんの部屋。

…私がオカマじゃなかったら、今頃ボスに殺られてるところねん。



「適当に座ってて」と言われ、椅子に腰を掛けてしばらく待つと、奥の方から満天ちゃんが。


しかも手にはお茶の乗ったお盆と、大きめの巾着袋。

それを両方テーブルにおいて、一息つく。




「それは…」

「開けてみて」



言われるままに巾着袋に手をかける。

紐を引いて、中身に目をやると、すごい光景があったわ。


流石の私でもびっくりよ…。




「満天ちゃん……

なあに、これは。」


「見ての通り、〔ピーーー〕と〔プーーーー〕だよ。」


「自分で買ったの?」


「ううん、貰った。」


「……誰に?」


「珠紀に。」




ああ、やっぱりこんなことになっていたのねん…

なんで私ってば珠紀ちゃんなんかに満天&ボス夫婦の話なんてしたのかしら…


でもまだまだ驚きは続く。



「…それを貰ったから、最近ボスを避けてたの?」

「ううん、私がこれで存分に慣れてから、ザンザスさんを驚かせようと思って。」


「ってことは何、あなたコレ使ったの!?」

「少しね?少し…」




全ての辻褄があったわ…


つまりはこういう事ね。



満天ちゃんがボスとの性生活の相談を私に持ち込む。

 ↓

珠紀ちゃんがベルちゃんの覗き被害を私に訴えてくる。

 ↓

お風呂要塞化計画

 ↓

私がボスの機嫌が悪い事をを珠紀ちゃんに伝える。

 ↓

珠紀ちゃんが自分の身を守るために満天ちゃんの悩みを解決すべく動く。

 ↓

満天ちゃんがオトナの玩具を貰い、それで悩み解消を図る。

 ↓

私が満天ちゃんの様子の変化に気がつく。


 ↓
 ↓

今ココ。



……結局私が原因なんじゃないかしら、これ。


ていうか私が原因よね、これ。



「…ルッス?」

「……なんだかごめんなさいね、満天ちゃん、ごめんなさいね。」

「え、えぇぇぇ?」

「いえ、なんでもないわ……」



世の中広いんだから、知らない方が幸せなことってあるもの。

いいわ、これがそれよ。



「とりあえず頑張るのよ、満天ちゃん!私応援してるから!」


「あ、ありがとう。オカマ友達から応援されたの初めて。」


「いやねぇ、女友達って呼んでちょうだい!!」



んまっ、投げキッスにそんなに引くことないじゃないの!!


「じゃあね、満天ちゃん!」

「う、うん、じゃあね!」



とりあえずスッキリはしたし、部屋に戻りましょ。






――――――――――……






ルッスーリアが尺をもたせてくれなかったので、予定よりも話が長くなります。


あ、珠紀です。

名乗るのが遅い?
気にすんな。



「おーーーい満天ーーぇ」



ガガガガガッゴンッゴゴゴンッガガガッゴッ


ノックをすると、扉の奥からバタバタと足音が聞こえて、勢いよく扉が開けられた。



「うるさい!」

「あ、ごめん。」


「…謝る気ないでしょ。
誠意がまるで感じられないから丸わかりだよ。

ていうかなにさ、さっきの音?

どんだけ器用にノックしたらああなるの…」



あんた手にバイブレーション機能でもついてんの?なんて言う満天。

馬鹿だなあ、人間にそんなのついてる訳ないじゃんね。



「って扇風機!!?」

「ノック用に持ってきた。」

「普通にすればいいじゃん…」



だって「コンコンッ」で聞こえる訳ないじゃん。

でかい音じゃないと。


だからまあ扇風機持ってくるくらいなら普通だよね。

(もちろんカバーの外れた剥き出しの状態だ。)


んま、jkjk。



「で、どしたの。」

「あー、うん、まあ、そろそろ慣れたかなと思って。」

「率直すぎる…」

「毎日やってる?」

「だから率直すぎる!!」



とりあえず部屋入れと怒られて、部屋にずけずけと入る。

遠慮はない。
余裕で寝転がれるほどだ。



「んで、どうなん?」

「………まあ、それなりに。」

「ふむふむ、それなりに気持ちがいいと。効果は良好か。」



流石わたしの作戦。



「なら、今日あたりいけそ?」



行けるよね。
行けるに決まってるよね。

いや行くんだよ。


そんな感じのオーラを出(そうと)しながら言うと、満天は小さく頷いた。

なんだかんだで乗り気だな。こいつ。



「んじゃ、頼んだよ!」


「はいはい…」




お風呂要塞化計画、遂に始動!






back next

 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -