018「ふてネ」
我らがボス。
何様俺様XANXUS様。
横暴乱暴暴れん坊の、あのXANXUS様が…
「結婚式…!?」
「そんなわけで、これから大忙しよ〜ん!!暇でよかったわねぇ、ヴァリアーは!」
「暇な組織ってそれ、いいんですかー」
「あぁら、だーって仕方ないじゃない?
近頃は警察がうるさいくらいに働いてるんだもの!
それに、あの暴君のボスが結婚よ!?
おめでたいことをすぐに祝えるって、ステキじゃなぁ〜い!!」
クネックネとしながら「いやぁ〜〜ん!」とか言って悶えてるルッスは若干ホラーだ。
あ、ごめん、地味にわたしホラーダメなんだよね。
とここでフランがあることに気がついた。
「でもでも、オカm……
ルッスーリアさーん。」
「んまっ!フランちゃん今オカマって言いかけたわねぇん!?」
「口が滑っておかめ納豆って言いかけたんですよー」
どう口が滑ったらおかめ納豆なんて言葉が出てくるんだ。
だいぶスライディングしながらですよね。
無茶ぶりですよね。
「で、話を戻しますー」
「ああ、そうだったわね。それで、どうしたの?」
「結婚式、明後日なんですよねー?
こんなに早くから準備する必要あります?」
それまはあ、言われてみれば確かにそうだ。
世界的規模の巨大マフィアなのだから、結婚式くらい1時間後にでも開けそうな気もするが。
多分、こういうことなのだろう。
『天下のXANXUSの結婚式を派手にやらずにどうするのだ?』
と、いう……
なんたって今回の新郎さんは、何様俺様XANXUS様ですから。
気に食わないことが式の最中に生まれてしまっては大変なのだ。
式を放棄、肉だけ食って帰る、だなんて暴挙にも至りかねない。
いや、さすがにそれは無いと思うが、イメージ的にはそんな感じだ。
だから、そんなことになるまえに、念入りにプランニングしているのだ。
『結婚式』というよりは、『披露宴』に関してだが。
会食があるから。
そんなこんなで、ヴァリアーの皆さんが考え出した結婚式のプランはこうだ。
ステンドグラスの美しい教会で愛を誓い合う。
その夜庭に水のある大型ホテルを貸し切って、新郎新婦以外は仮面を着けて披露宴。
後にダンスパーティーを継続する。
ちなみにお色直しは3回ほど行われるらしい。
中々に美しい結婚式になりそうである。
「……ごめん、言ってい?」
「どうぞー」
「………………
あんのリア充が。」
なんだか憎しみの契約かなにかをできそうだ。
そのくらい羨ましい、あいつわたしより早く幸せになりやがってコノヤロウ…
わたしだって結婚したいわ。
だってもう26だよ。
このままじゃわたし、確実に行き遅れるわ…
結婚してー。
でも相手いねー。
なにこの矛盾?
めっさ腹立つんですけど?
「珠紀さーん」
「なに。」
「ミーと結婚でもしますー?」
ごめんリアルに吹き出した。
「はあ?」
「いや、結婚したそうな顔してたんでー、社交辞令で。」
「社交辞令とか殺すゾ」
「冗談でーす。
まだ珠紀には手は出しませんよ、<ピー>は出しますが。」
「フラン、そんな卑猥な言葉どこで覚えたの。」
ていうか今、フラン、わたしのこと呼び捨てに…
「珠紀情報ですけどー」
ほら。
まあ、意地の悪い上司じゃあるまいし、敬語とか気にしないからいいんだけどさ。
腹立つとかないからね。
まあ、うん、腹立つどころか、照れるよね。
…ほらこのコナチュラルに言ってきたりするから。
「今、呼び捨てにしたなって考えてたでしょー」
「え、うん」
「バカの王子に負けたくないですからね、仕方ないですー」
なんだよ負けって。
罰ゲームとかかかってんの?勝負事に。
勝負事は全てじゃんけんでよし。じゃんけんで決めたら公平だから。
だからあんまり争うなバカヤロウどもが。
「ま、気にしなくていいですよー
さて、結婚式の準備の手伝いでもしますかー?」
「あ、忘れてた。」
ていうか手伝いって何をすればいいんだろうか。
私は今回の件の当事者でもなければ、身内でもない。
友人という関係がなければ、満天とはかなーーり遠い知り合いってことになるくらいの関係だ。
自分の→兄の→上司の→姉 みたいな感じで。
そんなのが 自分の→上司の→嫁 になるとか。
あ。あんまり変わってない。
というか、10年ちょっと友達やってっけど、今まであいつが結婚する兆しなんてなかった。
「男は?」みたいな。
「いないけど?」みたいな。
それにこの件に関しては3日位前に初めて知ったし、事前に満天から相談なんて受けているはずもない。
しかもいまだに連絡ひとつこないっていう。
式当日…っつっても明後日か。
明後日、急に「結婚する」なんて言われたら、もう、ぶちコロ決定だよ。
はよ言えや、って。
「…珠紀さーん?」
「ああ、うん、ごめんフラン。」
「?」
「わたし、寝るわ。」
「え。ちょ、」
「ルッスねーさんにヨロシク言っといて。じゃ、頑張ってね。」
「いや、待っ…」
友人の結婚を素直に喜ぶ非リア充がいるものか。
明後日までふて寝決定。
「あらぁ?フランちゃん、珠紀ちゃんは?」
「……知りませーん。」
「おかしいわねぇ、どこに行ったのかしら…一休みにケーキでもと思ったのに……」
「(ざまみろ。)」
―――――――
テスト終わったー。いろんな意味で終わったよーー。
数学80越えは無理。終わった。
最近小説書けないのですが。
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