014「勘違いって恐い」






(※お下品です。)









ある日。



任務から帰ってすぐに、趣味のネットサーフィンをしていた。




見るところは様々。


某ニコニコできる動画サイトを見て回ったり、某なんとかちゃんねるという掲示板を見たり、いろいろだ。


日によってはWikipediaでいろいろ検索しまくったり。



パーソナルコンピューター…なんて万能な文明の利器なんだろうか。



本当。


全人類は改めて、スティーブ・ジョブズに感謝すべきだわ。



Apple使ってないけど。

Microsoft使ってるけど。


まあ、だからあんま大きい声で言えないんだけどね。



色々な意味で、基盤を作ったのはジョブズさんだから、うん。


よしとしよう。





コンコンッ



部屋の扉を軽くノック。

部屋と言っても自分の部屋ではないが。




「スクアーロさん、スクアーロさん。ちょっとお願いがあるんですが。」




そう。

わたしの上司、スクアーロさんのお部屋。


ちなみに、今まで何回か訪ねたことはあるが、一度も入れてもらったことはない。



そんなに部屋が汚いのかな。

それともイカ臭いのかな。


あーあ、やだなあスクアーロさんてば。

使用済のティッシュは床じゃなくて、きちんとごみ箱に捨てなきゃ。



ノックをすれば、すぐにドアが開いてくれる。


ちったあ警戒しながら開けなされよ、スクアーロさん。




「なんだぁ」




あら寝起き?


長い長い銀髪を、横に流してゆるく結っている。

黒のジーンズにロンT。

さらには寝ぼけ目。


完璧寝てたっぽい。




「あー…ええと、寝起きのようなので、ちょっと、この頼み事はまた今度に…」


「はぁ?」


「いえ、あのですね。寝起きにコレは、ちょっと言いづらいので…」


「…いいから言うだけ言ってみろぉ」




これは優しさなのか寝ぼけているのか。


どちらにせよ、こんなお願いを寝起きの人にするなんて…


けど、スクアーロさんが良いって言うなら、




「あの、ですね…」


「あぁ」




今更恥ずかしくなってきた。




















「せ、精液ください!」






言い切った!!


ほらね?

寝起きのスクアーロさんには刺激が強すぎたでしょ。


目が点になってるもん。




「スクアーロさん?」


「……お前…」


「はい?」


「誰にでもそんなこと言ってるわけじゃねえよなぁ」




わたしの肩に手を乗せながら、こんなことを言ってくるスクアーロさん。


あのう、あんまり見られると恥ずかしいんですが。




「え…はい。言ったのはスクアーロさんが初めてでしたけど…。」


「…来い」


「へ?あ、はい。」




部屋にあげてくれるらしく、ドアを開けてわたしを通してくれた。

あ、初めてのお宅訪問みたいな感じですか。


ヴァリアーの廊下って案外寒いんで、ちょうどよかったですね。

助かりました。



ああ、なんだ、意外に綺麗…というかほとんど物が無い。


イカ臭くもない。

ティッシュはきちんとごみ箱に捨ててあるようだ。




「なんか意外に綺麗でした」


「そうかぁ」




ガシャン と、ドアの鍵を閉める音がした。

ん?

なんだかんだ暗殺者って用心深いんですね。



こちらに歩いてくるスクアーロさん。

どうやらお茶を出してくれるみたいだ。


座れと言われたので、わたしは近くにあったベッドに腰掛けた。




「!?
お前…気が早いなぁ」


「へ?」


「…待てねえってことなら、仕方ねえかぁ」




つかつかとこちらに来るスクアーロさん。

わたしの隣に腰掛けて、それで、わたしの肩を後ろに押した。


倒れるわたし。



あれ?

なんかこれ、やばくね?


押し倒されてね?これ。



ちょっ。

スクアーロさんの顔が段々近くなって………




「珠紀…」




いやいやいやいや!

やべえええええ!


え、なにこれ!?

この小説って、裏夢連載だったっけ!?




「すっ、スクアーロさん!なにしようとしてるんですか!」


「何って…お前が欲しいって言ったんだろぉ」


「へ?いや…え?」


「…精液」




いや。

精液だけください。


セックスしたいわけじゃないんです、わたしは。




「いや、誰も子宮に精液くれなんて言ってませんよ。

精液単品で欲しいんです。」


「はぁ?」


「精液カクテルって知ってますか。」


「んだそれぇ…気持ち悪すぎるだろぉ」




それが実際にあるのだ。


某なんとかちゃんねるという掲示板の、まとめサイトを巡っていると、見つけたのだ。



実物は馬の精液なのだが、さすがに馬のはちょっと…ね。

抵抗が。


なら人間でいーや。


そんなかんじで、ちょっと、作ってみようと思いまして。



説明し終えると、スクアーロさんは呆気にとられたような表情を浮かべていた。


この際も、まだ、顔が近いままである。


あ、やっぱ綺麗な顔ですね。

30代の肌艶じゃないですよ、こんなん。




「そんなわけなので、精液だけくれませんか?」




現実に引き戻されたみたいに、ハッとする。


スクアーロさんは、しばらくの間の後にこう言った。





「とりあえず、帰れ。」





わたしは意味がわからないまま、自分の部屋へ帰った。










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