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兵士長夫人のお仕事



お父さん、お母さん。
お元気ですか?

今日は私の新しい仕事、調査兵団の栄養士としての初出勤でした。




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「君がユフィだね。話には聞いているよ。私は団長のエルヴィン・スミス。よろしく。」

「は、はい!どうぞよろしくお願いいたします。」


ユフィの持ち場に向かう前に、リヴァイと一緒にエルヴィンのところに挨拶に行った。

緊張ぎみだが笑顔でユフィはエルヴィンと握手をする。


「可愛らしい奥さんじゃないか。リヴァイには勿体ないな。」

「おい、手ぇ出すなよ。」

「出さないさ。まだ命が惜しいからね。」


二人のやりとりの間で、ユフィは顔を赤らめた。


「君には調査兵団の食事の献立作成、材料の発注や管理を行ってもらう。現在のメニューや味付けは専門の者がいないためマンネリ化してしまっているんだ。厨房には調理員がいるから、彼らと連携して限られた予算の中でよりよいメニュー作りを頼みたい。」

「はい、任せてください!」


エルヴィンの執務室を後にして、食堂に続く廊下をリヴァイと歩く。


「辛かったり何かあったらすぐに言えよ。」


顔には出ないが、彼は心配してくれているらしい。

それだけでも嬉しくて、ユフィは胸を張った。


「これでも紅茶店の在庫管理や提携カフェのメニューの立案もやってたんですよ!」

「お前はよく働くな。」

「ふふ、そうですか?」


そんな話をしているうちに食堂の入り口に着いた。

ユフィは彼に向き直る。


「今日のお帰りは?」

「会議次第だが、早めに帰るようにする。」

「分かりました。待ってますね。」


こんなやり取りができる幸せを噛みしめる。

返事の変わりに、リヴァイは額にキスをくれた。


栄養士の仕事は彼の仕事よりも遅く始まり、夕方には終わる。
兵士長であるリヴァイより遅く帰宅することはまずないといっていい。

家事ができる時間も充分にありそうでよかった、とユフィは思った。


そしてリヴァイは彼の執務に戻り、ユフィは食堂の門を叩くのであった。


厨房では初老の厨房長がユフィを快く迎えてくれた。

彼が献立やら発注やらを全て担当していたようだが、調理もするとなるとさすがに忙しすぎて参っていたのだという。

この日の午前中は施設の場所や調理器具の確認、他の調理員への挨拶を行い、一日の仕事の手順を教えてもらった。
兵士たちがやってくるお昼時は厨房が最も忙しくなる時間で、現場を知っておいてほしいということでユフィも手伝うことになった。

リヴァイも食べにくるのかと思っていたが、最後まで姿が見えずに人知れず肩を落とす。

お昼が過ぎて落ち着いた頃に余り物のまかないをもらい、

(うーん、味付けが単純ね……。毎日これだと飽きちゃうのも頷けるわ。)

厨房長が今まで作ってきた献立を参考までに借りて、この日は早めに上がることになった。


**


ガチャ、と鍵の開く音にユフィはハッと目が覚めた。

(私、寝ちゃってた!?)

初出勤の疲れが出たのかもしれない。

慌ててソファーから起き上がると、リヴァイが帰ってきたところだった。


「ごめんなさい、うっかりうたた寝しちゃって。」


着替えを手伝いに駆け寄ると、額をこずくように押された。


「お前は休んでろ。そして後で俺の相手をしてくれ。早くユフィを抱きたい。」


夜の行為を連想させる言葉にぽっと頬を色付かせ、ユフィは彼の首に腕を回した。
すかさずリヴァイも抱きしめ返してくれる。


「分かりました。……おかえりなさい、リヴァイさん。」

「…………ただいま。」


最近ようやく言ってくれるようになった小さな小さな返答に、胸がじんわりと温かくなるのを感じた。




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少し緊張したけれど職場の方はとてもいい人ばかりでホッとしました。
早く慣れるように頑張ります。

リヴァイさんも、とてもよくしてくれて私は幸せです。

またお手紙書きますね。
二人とも体には気を付けて。


ユフィより。


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