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ゲーム・ナイト2



小鳥のさえずりが聞こえる。
次に感じたのはシーツに包まれている気持ちのよい感触。
それと、温かい肌のぬくもり。

(肌の……ぬくもり……?)

「う……ん……。」

眉をぎゅっと寄せてから、ユフィはゆっくり目を開けた。
目の前いっぱいに広がる肌色。
そこに浮かぶ凹凸が鎖骨だということに、少し遅れて気付いた。
目線を上げると。

「……起きたか。」

立てた肘に頭を乗せ、気だるげに見下ろしてくるリヴァイとばっちり目が合った。

「……っ、」

瞬間、ぶわっと全身の毛穴が開いた気がした。
同時に思い出す、昨夜の記憶。

「〜〜〜〜〜〜っ!」

言葉にならない。
一気に体温が上がる。
ユフィは恥ずかしさに、すかさず顔を両手で覆った。
当然のように腰へ回された腕と、膝に触れている彼の素足がとても熱く感じる。
ちなみにお互い、全裸だ。
あまりの羞恥心で身動きできず、「兵長……なんか、すみませんでした……」と、やっとのことで絞り出した。

簡単に説明するならば、昨夜のエルヴィン含めたご褒美付きトランプが白熱し過ぎてリヴァイとベッドインしてしまったのだ。
初めのご褒美は軽いキス程度だった。
それから酔っ払った三人で悪のりし、負けたら一枚ずつ脱ぐルールになった。
最終的に、ウィスキーのお陰で頭の働かなくなったエルヴィンがパンツ一枚になったところで彼が強制的にお開きにしたのだった。
その時点で、ポーカーの得意なユフィはキャミソールとズボン姿、リヴァイは上半身が裸という状態だ。

エルヴィンの執務室から追い出されても、半裸になった酔っ払い二人は自分たちの服を抱えながらどっちの勝利数が多いかでモメて、リヴァイの部屋でゲームの続きをすることになったのだ。

「いや……俺もまさかお前が負けたら俺のナニをナニするという条件をのむとは――」

「わ――――!」

真っ赤になってユフィは自分の耳をふさぐ。
そう。
そんなふざけた条件の勝負にムキになった彼女は大敗し、あとはなし崩しにベッドで絡み合ってしまったのだ。
情熱的な口付けと、彼によってもたらされたとろけてしまいそうな快感を思い出して、ユフィは体を熱くした。

「うぅ……恥ずかし過ぎる……。」

まさか一夜の過ちというものを自分が経験してしまうとは。
酔っても記憶はハッキリしている自分が恨めしい。

「俺は案外悪くない夜だったと思ってる。」

そう言って、驚いた表情を浮かべるユフィの額へ、恋人にするようにキスをしてからリヴァイは起き上がった。
つられてシーツがめくれそうになり、ユフィは慌てて胸元までたくし上げる。

(あれ、兵長ってこんなにカッコよかったっけ……?)

「いつもはツンケンしている猫が急にデレたみたいでそそられた。」

たくましい背中を惜しげもなく晒すリヴァイに、振り返りざま、ほんのかすかに笑いかけられた。

(あ、ヤバイ。)

ゲームに負け、彼自身にも陥落てしまった瞬間だった。



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