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ワインレッドが魅了する



※上等機動歩兵の衣装に触発された話。




「リヴァイ……。あぁ、あなたってなんて素敵な男性なんでしょう!」

仕立屋ユフィはうっとりとため息をもらした。

「人を簡単には寄せ付けないカッチリした漆黒のコートからのぞく、胸元の程よく開いたワインレッドのセクシーなシャツ……。そしてシックな黒のパンツとブーツが全体のバランスを完璧なまでにまとめ上げ、体に巻き付くベルトがより一層その妖しさを引き立てる……!こんなにもこの衣装が似合うのはあなたしかいないわ!」

はぁはぁと身悶え興奮しながら人指し指をびしりと突きつけられた棒立ちのリヴァイは、人類最強のジト目でユフィを睨む。

「うるせぇ、変態が。」

「りーばーいーさん!もっとにこやかに、ね?」

「ね?じゃねぇよ変態女。こんな動き辛い格好で立体機動ができるかよ。」

どん底のテンションでリヴァイは窮屈そうに肩を動かした。

「それができるのよあなたなら!今日の兵団設立記念式典は成功間違いなしよ!みんなが勇ましい姿をしたあなたの登場を望んでる。」

踊るように彼の背後に回って糸くずを払ったり、えりをチェックしたりするユフィ。

「チッ……面倒くせぇ。」

「民衆の支持を獲得するのも仕事の一つでしょ?その美しい肉体さばきをを存分に披露して差し上げてね?兵士長さん。」

すると、ふいにリヴァイが顔だけ後ろへ向けて視線を投げた。

「おい、この前言ったことは覚えてるんだろうな?」

ユフィはニッコリと笑みを浮かべ、彼の脇腹のがっしりしたラインをコートの上から両手でなぞった。

「もちろん。この式典が終わったらヤらせろ、ってことでしょう?」

リヴァイは肯定するように目を細める。

「またあなたの衣装を作らせてくれるなら、って条件よね。うふふ、私あなたの芸術品みたいな体、すごく好きなのよ……。」

「俺もお前の体に関しては興味がある。よかったな、利が一致して。」

彼の話を聞いているのかいないのか、再び彼の前に舞い戻ってうっとりと全身を眺めるユフィ。
その腰を強引に引き寄せ、ブラウスからのぞく白い首筋を甘く噛んだ。
グラマラスでほどよく締まった彼女のボディラインは、いつ見ても手を出したくなってしまうのだ。

「いたっ。リヴァイ、これフライングよ?ご褒美は今日のお仕事が終わったあと!」

「ケチ臭いこと言うな。うんざりする仕事の前だ。気付けに味見くらいさせろ。」

「ふふ……私が作ったその衣装でサカってるあなたもゾクゾクするわね……。」

さらけ出された首筋とワインレッドのシャツのコントラストは、まさに目に毒。
今日この式典で欲情してしまう乙女が一体どれだけいるのか計り知れない。

「は……変態が。」

至近距離で見つめ合っていたそのとき、外の会場でファンファーレが鳴り始めた。

「時間だわ。さ、いってらっしゃい!」

ステップを踏む足取りで、むっつりした表情のリヴァイを控え室から押し出し、コートをひるがえして会場に向かう彼の後ろ姿を眺める。

「はぁ……完璧。相変わらずいいお尻してる……。」

ユフィはもはや何度目かも分からない感嘆のため息をついたのだった。




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