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(はぁ、今日も暑かった……。)

夏期の野外訓練はやはり水分の摂取量が多くなる。
一日の行程を終えた頃には、体は汗だくだし喉もカラカラだった。

訓練後すぐにミーティングが始まると聞いていたので幹部用のテントに直行すると、そこにはまだリヴァイしかいなかった。
水をささっと汲んでから来ればよかったと後悔する。

「まだエルヴィン達は来てないのね。」

「ああ。」

私は彼がけだるげに腰かける向かいのイスに座り、リヴァイは水筒の水を飲み始めた。

「あ、リヴァイ、水ちょっとくれる?私もうなくなっちゃって。」

声をかけると、彼はじっとこちらを見つめた後、

「……仕方ねぇな。」

と言いつつ手に持っていた水筒の飲み口を再び口に運ぶ。

「……?」

くれるんじゃないの?と首を傾げる。
すると。

「え?え?」

イスから立ち上がり、つかつかとこちらに歩み寄ってきた。
そして彼の手が私の顎を素早く掴んでぐいっと上を向かされ、抵抗する間もなく唇が押し付けられた。

すぐに彼の舌が唇をこじ開けてきて、私は目を見開く。

「ん!んくっ、」

途端、流込んでくる液体。
重力に従って彼の口内から私の口内へ。
突然のことに体がびくつく。

半日気温の高い野外で活動していたからか、リヴァイの体温が移ったのか、その水はぬるかった。

「んっ、……っ、」

なす術もなくこくりと飲み下す。

「は……!」

口移しが終わり、眼前のリヴァイは濡れた唇を舐めながらどこか勝ち誇ったような笑みを浮かべていて。

「うまかったか、俺の水は。」

「っ!!」

私はミーティング中も、しばらく体の火照りがおさまらなかった。



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