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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -


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初恋同士





「あーもう!君ら二人から別々に相談を受ける私の身にもなってくれ!」

中学校からの仲良し三人組で遊園地へ遊びに来ていたその日の夕方。
何かが爆発した様子のハンジが私とリヴァイを観覧車のゴンドラに押し込んだ。

「え、ちょっと……!」

「初恋同士、よろしくやるんだよ!いいね!?」

親友に急かされたスタッフによって慌ただしく鍵をかけられたゴンドラ。
景色はゆっくりと地上から離れていく。
向かい合って座る私たちの間に流れるのは、半ば呆気にとられた、気まずい沈黙。

「えっと、初恋って……。」

それは、今しがたハンジが言い放った言葉。
そして私が彼に対して抱いている気持ちで、ハンジにしか打ち明けていない、紛れもない事実。
でも、初恋“同士”って、どういうこと?

リヴァイは「あのメガネ……」と呟きながら髪をガシガシかいて、困ったような照れたような顔をした。
彼のそんな表情、そんな雰囲気、初めて目の当たりにする。
膝の上の手のひらが急にじわりと発汗した。

視線が、合う。

「……そういうことなのか?」

突然のことでうまく頭が回らない。
でも言わんとしていることは、分か……る。

「……そういうことなの?」

顔が熱くなって手で頬を覆った。
彼も変に首を撫でている。
私たち、そういうこと、らしい。

観覧車が地に戻るまであと10分。
照れが爆発して、何を話したらいいのか分からない。
暮れなずむ景色も目に入ってこない。
ハンジ、助けて。

混乱しながら、あ、そっか、と気付く。
ハンジの爆発ぶりを見るに、きっとリヴァイもあの親友に頼ってきた。
今日、遊びながら、私はリヴァイがトイレに立ったり飲み物を買いに行くたびに恋愛相談をしていた。
リヴァイもそうだったに違いない。

謎は解けた。
うん、たしかにそれは疲れる!
ハンジ、今まで本当にありがとう!

でもやっぱり、助けて!!



***



お題の投稿ありがとうございました!



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