12月22日(土)
あいつとは付き合って3年になる。
2年目からは俺の家で半同棲生活をしていた。
そして、半年前から彼女は仕事の関係で県外に出ている。
今はいわゆる遠距離恋愛だ。
だが、それも来年で終わる。
1年くらい余裕だと思っていた。
しかし実際、その見立ては甘かった。
何もしないでいると、呆れるほどに俺はあいつのことを考えている。
食事を共にしたテーブル。
並んでテレビを観たソファー。
数えきれないほど肌を重ねたベッド。
それらは視界に入るたびに彼女の面影を脳裏にちらつかせる。
恋人欠乏症があまりにも深刻なので、なぜ彼女を好きになってしまったのだろうとすら考えた。
愛は人を強くするというが、逆に俺は弱くなった気がする。
自分で作る料理より彼女の手料理のほうが断然うまい。
テレビも一人で観るより二人で観るほうが絶対に楽しめる。
一人で寝るより二人で寝たほうが比べようもなく温かい。
あいつと暮らす幸福感を知ってしまったのだ。
束の間でも、一人はこたえた。
24日、あいつは久しぶりに帰ってくる。
俺の誕生日を直接祝いたいらしく、無理を言って休みをもらったらしい。
恋人思いの彼女がいて俺は幸せ者だ。
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