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ファミリーレストラン


「それでは10名様、こちらのお席へどうぞ。」




そう言って通された席にドカドカと座り込む私たち。
右は奥から長太郎、若、萩、岳人、侑士の5人で、左は宍戸、ジロー、私、跡部、樺地の順番。
私、端っこが好きなのになぜかど真ん中。
まあ適当に座ってったからしょうがないけど。

「しかし、この時間でよく10人の席座れたな。」
「確かに。もっと待たされるかと思ったぜ。」
「そっか、宍戸と岳人は見てなかったんだ・・・。」
「え、何を?」
「いや、何でもない。」

まあ、あれですよ。
要はイケメンの力って凄いんだなってことですよ。
だってみんなを見たときのあの店員さんのリアクションたらもう、ね。
「急いでお席作ります!」って凄い気合いだったよ。
それに侑士がおおきになんて微笑んだ時にゃ店員さんの顔真っ赤だったしね。
・・・怖いねー。

「どうしたの、ため息吐いて。」
「ううん、何でもないよ。」

そう?と微笑む萩。
・・・遠くでキャーって声が聞こえた気がしたけど、気のせいにしよう。

「で、何食べる〜?」

隣からジローに聞かれて、そうだなぁと呟きながらメニューを覗き込む。
どうしようかなぁ。

「ボタン押しますよ。」
「え、ちょ、待って!」
「まだ決まってないんですか?」

まだメニューを見始めたばかりだというのに早くして下さいと言いながらボタンの上に手を乗せる若。
だから、待ってって!

「・・・おい。」
「なんや跡部。」
「あのボタンは、何だ。」




「「「・・・え?」」」




その言葉に、凍り付くみんな。

「あのボタンは何だって・・・若が手乗せるあれのこと?」
「そうだ。」

私の質問に真剣な顔で答える跡部。
何、跡部この呼び出しボタン知らないの・・・?

「跡部、マジで言うてるん?」
「あーん?」
「だって今ファミレスなんて大概これあんだろ?」
「知らねぇよ。ファミレスなんて初めて入ったんだしよ。」




「「「・・・えぇっ!?」」」




その言葉に、再び凍り付くみんな。

「跡部それマジマジ!?」
「嘘吐いてどうすんだよ。」

そう言って少しむっとする跡部。どうやら本当らしい。

「仕方が無い、教えてあげよう。あのボタンはね・・・」




ゴクリ、と唾を飲み込む跡部。






「爆弾なんだぜ!」






「「「・・・。」」」
「いや、そこ無言にならないでよ。」

折角ぼけてるのに、なんでそこでみんな何も言ってくれないかな。
なんでやねん!って突っ込めよ侑士!(名指し)

「フンッ、くだらねぇ。」

そう言って跡部は鼻で笑った。

「今時そんなこと小学生でも言わないぜ?」
「うるさい岳人。変な髪形なくせに。」
「くそくそ!今髪型関係ないだろ!」
「うるさいみそ。」
「もう押しますよ。」

そう言って私と岳人のやり取りを完全無視してボタンを押そうとした若。
だけどそのボタンをさっと横から奪って、何とか阻止した。
ふふふ。ざまあ!

「・・・よし、決めた!」
「やっとですか?早く押してくださいよ。」
「いちいちうるさいな。言われなくても押しますよ、って・・・」
「・・・どうしたんですか?」
「あ、いやなんでもない。」
「・・・?そうですか。」






ボタンを押そうとしたその時、隣で跡部がビクッとしてたのは秘密にしてあげようと思った。




(20090422)

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