sit in the sun | ナノ
13-4
「・・・だ。分かったな?」
「おい、映、映?」
「え・・・?」
岳人に呼ばれ、私はあたりを見回した。
跡部が眉をひそめ、睨んでいた。
うわ・・・。
「てめぇ、話聞いてたか?」
「ご、ごめんなさい・・・。」
夕飯を食べ終わった後に開かれたミーティング。
明日の練習について話していたはずなのに、私はいつからか話を聞いていなかったようだ。
どうしよう、みんなに見られてる・・・。
跡部に怒られる・・・。
「映。」
「はい・・・。」
「お前はもう部屋に戻って休め。」
「え?」
かけられた言葉は、私の思っていたのとはあまりにも違った。
「私なら大丈夫だから!ちょっとぼーっとしちゃったけど。」
「いいから、今日はもう戻れ。」
「でも跡部、」
「戻れ、映。」
強く、睨まれた。
ここまで言われてしまったら断れないじゃない、か・・・。
「ほんと、ごめん。」
呟いた声が、少し震えいた。我ながら情けないな。
奥歯をギュッと噛み締めながら、私は1人部屋へと走って戻っていった。
―――――――――――――――
「跡部、何もあそこまで言わんでも。」
「そうだよ、映かなり落ち込んでたぜ?」
映が部屋へ戻って行った後、周りにいた奴らが一斉に喋りだした。
「集中してねぇやつがいたって邪魔なだけだ。」
「確かにそうですけど・・・。」
「だからってあんな言い方。平塚へこんでたぜ?」
忍足、向日、鳳、宍戸が映を庇うような事を次々と言ってきた。
言葉には出してないが、日吉もこちらを睨んでいる。
ジローは、・・・相変わらず下を向いたままだ。
「お前らも集中出来ねぇようなら部屋に戻れ。」
そう言い放つと、静まり返った。
「悪いな手塚。ミーティングを続ける。」
「ああ。」
不二がこっちを見た気がした。
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